「環境こだわり農産物」(ホウレンソウ)に対する消費者評価

タイトル 「環境こだわり農産物」(ホウレンソウ)に対する消費者評価
担当機関 ホウレンソウ
研究期間 2002~2003
研究担当者 藤井吉隆
中村嘉孝
発行年度 2003
要約 「環境こだわり農産物」の認証により、ホウレンソウに対する消費者の評価は高まる。また、店頭での情報伝達活動は、販売促進に有効であり、これにより「慣行農産 物」よりも高い価格での販売を期待できる。
背景・ねらい 滋賀県では、化学農薬・化学肥料を通常の50%以下に削減するとともに、琵琶湖等地域環境への負荷を削減して栽培された農産物を「環境こだわり農産物」として認証しており、今後の生産・流通の拡大が求められる。そこで、ホウレンソウを対象に完全プロファイル評定型コンジョイント分析および農産物直売所店頭での販売実験を実施し、その消費者評価を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 消費者がホウレンソウ購入時に重視する要因は、「価格」が最も高く、次いで「栽培方法」、「産地」の順となる。ただし、購入時に重視する要因の特徴から、消費者は、「均等派」(各属性を概ね均等に重視する:構成比43%)、「栽培重視派」(栽培方法を重視する:構成比13%)、「価格重視派」(価格を重視する:構成比32%)、「産地重視派」(産地を重視する:構成比11%)の4つのグループに分類できる(表1)。
  2. 消費者は、栽培方法では「環境こだわり農産物」が、産地では「地場産」が、価格では「低価格」に対する評価が高い。したがって、「地場産」や「県内産」の「環境こだわり農産物」は、本分析条件下の他の産地・栽培方法の組み合わせに比べ消費者の評価が高い。特に、「均等派」や「栽培重視派」では、その傾向が顕著である(表1、図1)。
  3. 農産物直売所店頭での「環境こだわり農産物」の売れ行きは、店頭での情報伝達活動  を行わない場合、価格が同じ条件下でも「慣行農産物」と同程度である。しかし、店  頭での情報伝達活動(PRビデオの放映、認証シールの大型化、POP広告、啓発ポスターの掲示)に取り組むことで、「慣行農産物」を上回る売れ行きを示す。この場合、販売価格が20%高い条件下でも、同程度の売れ行きを示す(図2)。

成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、農産物直売所利用者を対象とした調査結果である。
  2. 今後の「環境こだわり農産物」の生産や流通の拡大を図る上での基礎資料として活用できる。

図表1 219639-1.jpg
図表2 219639-2.jpg
図表3 219639-3.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 農薬 ほうれんそう

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