タイトル |
ウンシュウミカンの育苗と運搬作業の軽労化のための軽量培地利用法 |
担当機関 |
広島農技セ |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
宮脇尚久
中元勝彦
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発行年度 |
2003 |
要約 |
粉砕もみ殻と樹皮堆肥の混合培地は、慣行のマサ土と樹皮堆肥の混合培地に比べて重量が55%軽いので運搬作業時間を30%短縮でき、労働負担も軽減できる。なお、培地の資材費は同等でウンシュウミカン2年生苗の生育量は約1.3倍促進できる。
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キーワード |
果樹、カンキツ、ウンシュウミカン、軽量培地、粉砕もみ殻、育苗、軽労化
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背景・ねらい |
本県におけるウンシュウミカン大苗育苗用の培地資材は、マサ土と樹皮堆肥を容積比で2:1に混合した培地(以下、慣行培地と記す)であるため、運搬作業が重労働である。そこで、軽量で苗木の生育が優れる軽量培地を開発し、苗木運搬作業の省力化と軽労化をはかる。
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成果の内容・特徴 |
- 軽量培地の組成は、ライスセンターのプレスパンダーで膨軟加工し、撥水性を弱めた粉砕もみ殻と市販の樹皮堆肥を容積比で1:1に混合したものである。培地20L当たりの重量は慣行培地の45%(8kg)である(表1)。
- 育苗容器は30Lの肥料袋を利用し、図1のとおり排水口を設ける。
- 育苗時の水管理は、テンシオメーターを地表下10cmに埋設し、かん水点pF1.8で20mmの自動かん水とする。なお、軽量培地は慣行培地に比べて乾きやすくかん水回数が約2倍多くなるので、市販の保水シートを培地表面に1枚(約11円)被覆する。これにより資材費は同等(77円)となるが(表1)、夏秋期のかん水回数を23%削減できる(表2)。
- 施肥はカリ成分の少ない被覆肥料(140日タイプ)を用い、定植3週間後に窒素成分で20gを保水シートの下へ年1回施用する。この施肥法は施肥労力が軽減でき、培地の化学性を維持できるので、苗木の細根は培地全層に均一に伸長する。
- 20Lの軽量培地を用いて「石地」2年生苗を双幹形整枝で1年間露地育苗した場合の生育量は、慣行培地育成苗と同等である(表1)。しかし、保水シート1枚を培地表面に被覆することで、生育量は無被覆に比べて約1.3倍大きくなる(表2)。
- 1年間育苗後の平坦地での苗木運搬作業は、培地の軽量化により慣行培地に比べて作業時間で30%短縮でき、労働負担で強労働を中労働に軽減できる(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 培地調整時には、塩基バランスを調整するために培地1m3当たり過燐酸石灰1kgと苦土石灰3kgを添加し、苗木植付直後に1樹当たり6L(40mm)をかん水する。
- 保水シートは水がすぐに浸透しにくいので、株元が凹面となるように被覆する。
- 軽量培地で育成した2年生苗の定植方法は、肥料袋をカッターナイフで切り裂き、根鉢ごと植穴に埋設することで十分に活着し、9か月後には土壌に根が伸長する。
- 定植後の生育の良否は土壌の種類によって差があるが、慣行培地育成苗と同等である。
- 軽量培地育成苗は定植後の樹体の安定性が悪いので、支柱に誘引結束する。
- 「はるみ」、「レモン」等の中晩生カンキツの大苗育苗にも適用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
温州みかん
加工
軽労化
栽培技術
省力化
施肥
水管理
レモン
その他のかんきつ
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