タイトル |
ユズの簡易カラーリング方法 |
担当機関 |
高知県農技セ果樹試験場 |
研究期間 |
1999~2002 |
研究担当者 |
谷岡英明
小原敬弘
田中満稔
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発行年度 |
2003 |
要約 |
ユズ(淡緑色、着色1分以上)を収穫したコンテナごとポリ袋に入れ、これにエチレン発生剤を入れ密封し、30℃の処理庫に24時間放置後開封し、20℃の処理庫に置くことにより、5~7日で着色する。従来のカラーリング方法と比較し、ヘタ枯れ、ヘタ落ちの発生がなく、毎日の収穫が可能になり、より収穫労力の分散が図られる。
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キーワード |
ユズ、カラーリング、エチレン発生剤
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背景・ねらい |
ユズの収穫時期は、一部青玉収穫により分散されているものの、大半は11月上中旬の一時期に集中しており、収穫労力の分散が望まれている。従来の方法は専用の処理庫でエチレンガスを50~100ppmになるように封入(ショット)後、15~20泡/分程度のエチレンガスを入れながら30℃で約40時間運転(ランニング)し、その後、エチレンガスを止めて30℃で24時間ほど運転(蒸らし)を続け、着色したものから出荷していたが、へた枯れ、へた落ちが発生する場合があった。ここでは、10月に収穫し、緑色を抜いて出荷するカラーリング果について、従来のカラーリング方法よりも簡易に処理できる方法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 小袋(コンテナ個装)での処理方法
(1)収穫した果実をユズ収穫用浅型コンテナ(ミカンコンテナの高さが1/2のもの)に、1段詰め(30~40玉)にし、コンテナごとポリ袋に入れる(表1)。 (2)エチレン発生剤3包(エチレン濃度約1,000ppm)をすばやく入れ、密封する(表2)。 (3)30℃の処理庫(高温予措庫を利用)に24時間入れる(表3、4)。 (4)袋を開封し、20℃の処理庫(低温貯蔵庫を利用)に入れる(表5)。 (5)着色したものから出荷する。
- 大袋(260L容量)での処理方法
(1)処理果実量は浅型コンテナに2段詰めにし、コンテナ(240~320果)単位で処理を行う。 (2)内部の空気容量を確保するため、空コンテナを3段積み、その上に果実を入れた4コンテナを置き、全体をポリ袋に入れる。 (3)エチレン発生剤10包(エチレン濃度約1,000ppm)をすばやく入れ、密封する。 (4)その後の作業は、上記(3)~(5)と同様に行う。
- 1日に1,000玉、10日間で10,000玉をカラーリングした場合の経費は、1果当たり小袋処理で8.4円/果、大袋処理で7.9円/果であり、従来の方法と差がない(表6)。
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成果の活用面・留意点 |
- 収穫時の着色は、全体の濃い緑色が抜けた淡緑色(1分着色以上)からが良く、平年では10月上旬となる。果頂部の緑色の濃いもの、日焼け果、黒点病果、傷果は着色むらになるため樹上選果を充分行う。また、緑色の濃い果実を処理すると、白黄色になる。
- エチレン発生剤の密封時間は24時間とし、これ以上密封するとヘタ枯れが発生する。
- 収穫果の着色が進んでくる(着色5分以上)と、小袋処理ではエチレン発生剤を1包に、大袋処理では3包にしてもよい。
- 「エチレン発生剤」は、農協等で購入できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
カラー
出荷調整
日焼け果
ゆず
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