生分解性ポリ乳酸発泡体の家畜糞堆肥化副資材としての利用

タイトル 生分解性ポリ乳酸発泡体の家畜糞堆肥化副資材としての利用
担当機関 山口畜試
研究期間 2001~2005
研究担当者 太田壮洋
発行年度 2003
要約 生分解性ポリ乳酸発泡体を家畜糞堆肥化の副資材に用いると、水分含量が69%以下であれば堆肥化が進む。発泡体の混合量は、漏汁が発生するため、オガクズ量の60%代替が限度である。また、夏期は分解が促進されるため、減容の効果が高い。
背景・ねらい 生分解性ポリ乳酸発泡体(とうもろこしデンプンを乳酸発酵して得られる乳酸を樹脂化したポリ乳酸を原料とする。以下「発泡体」)は、微生物に分解されて再び植物体に利用させることができることから、環境に優しい資材として農業や土木資材だけでなく、食器にまでその用途が広がっている。
本調査は、弱電家電等の緩衝資材として利用した後の発泡体を、家畜糞堆肥化の副資材として用いた場合の利用性について調査する。
成果の内容・特徴
  1. 調査は、4L容量のポットに混合物を詰め、ポット上面が露出するように、完熟堆肥に埋設した(図1)。4Lの極少量堆積でも堆積温度が十分に上昇し、温度低下後の切り返しで再発酵せず、短期間での比較調査が可能である。
  2. 供試した発泡体は、回収後粉砕し、粒径は1mmから20mmで構成され、その81.3%が5mm以上の粒子で構成されている。なお、発泡体の性状及び発泡体混合堆肥の発芽率を表1に示した。
  3. 豚糞をオガクズで水分調整した対照区と、対照区オガクズ容量の20%、40%、60%、80%及び100%容量を発泡体で代替した試験区の堆肥化を比較した。
  4. 発泡体混合により堆肥化が進み、水分の蒸発や易分解性有機物及び発泡体の分解が促進され、堆積終了後の容積が減少する(表2)。発泡体20%代替でも10%以上の減容効果があり、代替量を増やすほど減容の効果が高い。
  5. 冬期は、最高温度が夏期より15℃程度低くなり、極少量堆積による影響が出た。しかし、80%区は対照区の堆肥化開始時の水分含量61.8%より7%以上高かったが、堆肥化温度の推移に差は無く、発泡体混合の効果が得られる(図2、図3)。

成果の活用面・留意点
  1. 発泡体を、豚糞堆肥化の副資材に用いると減容の効果が高く、利用回収後の発泡体利用に際して生分解の特長を生かした活用ができる。
  2. 発泡体量に対してオガクズ量が極端に少ない場合、糞の水分を吸水する資材が少ないため、混合物外観が水分過多になり衛生害虫が発生する。また、ポット下部から若干の漏汁も発生する。
  3. 供試した発泡体は、緩衝資材としての機能により耐久性があり、分解を進めるためには45℃以上の堆積温度が必要である。

図表1 219737-1.jpg
図表2 219737-2.jpg
図表3 219737-3.jpg
図表4 219737-4.jpg
図表5 219737-5.jpg
カテゴリ 害虫 とうもろこし

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