タイトル |
ケールジュース粕サイレージの調製技術 |
担当機関 |
愛媛畜試 |
研究期間 |
2002~2003 |
研究担当者 |
家木 一
枡井和恵
嶋家眞司
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発行年度 |
2003 |
要約 |
ケールジュース粕サイレージは、繊維分解酵素と乳酸菌を添加して調製することにより、繊維成分は減少するが、糖度と乳酸含量の高い良質サイレージとなり、乳牛の嗜好性も向上する。
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背景・ねらい |
ケールジュース粕の飼料としての利用は、保存性の向上や硝酸態窒素の低減を考慮したサイレージの形態が望ましい。そこで、乳酸菌および繊維分解酵素を添加して調製したケールジュース粕サイレージの発酵品質や乳牛の嗜好性を調べ、ケールジュース粕サイレージ調製技術の確立を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 供試したケールジュース粕サイレージは、生ケールジュース粕と加熱乾燥したケールジュース粕(470℃・180分)を乾物比50:50で混合したものを原料として、FRP製ドラムサイロで50日間調製している。
- ケールジュース粕サイレージの一般成分は、繊維分解酵素+乳酸菌添加で調製したもの(+EL)が、無添加(Control)あるいは乳酸菌添加(+L)で調製したものに比べて、非構造性炭水化物含量で高く、中性デタージェント繊維含量で低い値を示す(表1)。
- いずれのサイレージも、酪酸およびプロピオン酸は検出されないが、+ELは、Controlや+Lに比べて、pHが低く、乳酸含量が高い特徴を示す。また、+ELのブリックス糖度は、Controlや+Lに比べて7~9%ほど高い(表2)。
- サイレージの嗜好性は、「+EL >> Control > +L」の順に高い(表3)。
- ケールジュース粕サイレージは、繊維分解酵素と乳酸菌を添加して調製することにより、繊維成分が糖分に変換され、その糖分を材料として乳酸発酵が促進する。その結果、糖分と乳酸含量が豊富な良質サイレージとなり、乳牛の嗜好性も改善される。
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成果の活用面・留意点 |
- 繊維分解酵素を添加したケールジュース粕サイレージは、繊維成分が減少することから、反芻家畜への給与においては、繊維成分の高い飼料を併給することに留意しておく必要がある。
- 産出直後の生ケールジュース粕は、水分含量が80%と高いため、生ケールジュース粕単独でサイレージ調製した場合、ハンドリングに難が生じる。このため、ケールジュース粕サイレージの調製においては、低水分飼料を混合して水分調整を図ることが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
ケール
乳牛
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