タイトル |
ホワイトアスパラガスの筒状簡易軟白器具 |
担当機関 |
奈良農技セ |
研究期間 |
2002~2005 |
研究担当者 |
浅野亨
中野智彦
北條雅也
木矢博之
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発行年度 |
2004 |
要約 |
筒状の軟白器具を用いることで簡易にホワイトアスパラガスを生産できる。本器具は内径40mm程度の遮光性資材の筒を用い、その上下を簡易加工したものであり、約4cm以下の萌芽に被覆すると緑に着色せず、立茎栽培時を含めた長期間にわたり、省力的な軟白生産が可能である。
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キーワード |
ホワイトアスパラガス、軟白、軽労化
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背景・ねらい |
ホワイトアスパラガスの栽培は、一般的にアスパラガスが春に萌芽する前に養成株の上に培土を行い、遮光して軟白する。収穫は熟練を要し、培土や収穫期間終了後の培土崩し等、管理作業は重労働となる。そこで、より簡便な方法として、萌芽してくる若茎を被覆して軟白を行う筒状の簡易軟白器具を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 簡易軟白器具は、内径40mm程度の遮光性資材の筒(水道管塩ビパイプまたは雨樋パイプ等)を25cm程度で切断し、上部を黒色のポリフィルム(厚さ0.15mm)で覆い結束バンド等でとめ、下部を斜めに切断したもので構成される(試作費約60円/本)。これをアスパラガスの萌芽してくる若茎に被覆し、軟白を行う。成長するホワイトアスパラガスによって器具の頂部が押し上げられるため、収穫適期がわかる(図1)。
- 約4cm以下の若茎に本器具を被覆すると、若茎が商品性に影響するような着色をせず、ホワイトアスパラガスが得られる(図2)。
- 本器具で軟白した若茎の形状は、培土栽培法で軟白した場合と比べると、若茎の直径がグリーンアスパラガス並に細くなるが、商品性には影響しない(図3)。
- 本栽培法は培土栽培法に比べ、1本当たりの収穫時間で約6割に短縮できる(表1)。
- 本栽培法は立茎栽培時期にも軟白が可能であり、収穫期間が培土栽培法では約2ヶ月であるのに対し、本栽培法では約6ヶ月と長くなるため、作業時間が平準化されると共に、総収量は約2倍が期待できる。本栽培法では10a当たりの粗収入は150万円が見込まれる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 被覆しなければグリーンアスパラガスとして出荷が可能であるので、需要に応じて軟白栽培の割合が調節できる。
- 10a当たり約200本が1日の被覆に必要で、3日程度で収穫できるので約600本が必要となる。
- 単位面積当たりの1日当たりの労働時間が短くなることから、規模拡大が可能であり、新規参入も容易になる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
アスパラガス
加工
規模拡大
軽労化
出荷調整
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