カキの主幹形ポット栽培における栽培適性の品種評価

タイトル カキの主幹形ポット栽培における栽培適性の品種評価
担当機関 滋賀農総セ
研究期間 2000~2004
研究担当者 高畑正人
北出知宏(湖南振興局)
蒲生英美(湖東振興局)
発行年度 2004
要約 カキの主幹形ポット栽培において、「新秋」と「太秋」は植栽3、4、5年目では 3ヶ年の平均収量が10a換算3.3~3.4tとなり、平均果実重が300g以上で食味も良 好で、「富有」に比べ優れる。
キーワード カキ、「新秋」、「太秋」、主幹形、ポット栽培、栽培適性
背景・ねらい カキは従来の栽培では育成期間が6年程度と長く、樹高も高く、脚立利用で作業性が悪い。これらを改善し、早期成園化と低樹高化をめざす技術としてポット栽培が有望である。そこで、「富有」、「新秋」、「太秋」、「陽豊」および「前川次郎」の5品種について、主幹形ポット栽培における栽培適性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 雨よけハウスにおいて、カキ5品種を植栽密度571ポット/10a(樹間1.0m、間口7mに4列)で配置し、主幹形仕立て栽培をすると、植栽後3、4、5年目の3ヶ年平均収量が、「新秋」および「太秋」は10a換算3.3~3.4tとなり、他の品種に比べ多収である(表1)。

  2. 「新秋」と「太秋」は糖度が16%以上で、硬度は軟らかく、食味で優れる(表2)。

  3. 「新秋」と「太秋」は平均果実重が300g以上で、2L以上の大玉果率も高い(表3)。

  4. 「新秋」はへたすきと条紋の発生が、「太秋」では条紋の発生が認められるが、障害程度は軽く、汚損も少なく販売上の影響は少ない(表3)。

  5. 雨よけハウス栽培で、剪定時に樹高約1.8mの主幹形仕立てとし、開花前に1枝2蕾とした後、人工授粉を行い、7月に葉果比15~20で摘果をする。

  6. 培土は山土(砂壌土):ピートモス:バーミキュライトを7:2:1(容積比)で混和し、ポット当たり30リットル(ポット直径46.8cm高さ36.2cm)を用いる。

  7. 灌水量は1.5~3.0リットル/回とし、1~3回/日の自動灌水とした。施肥は3月に 菜種油粕(N-P2O5-K2O:5-2-1%)60gを、IB化成S1号大粒(N-P2O5-K2O:10-10-10%)20~30gを5~9月に6~7回分施をする。
  8. 強い新梢は5月頃10葉で摘芯し、8月に徒長枝の間引きと予備枝の誘引をする。
  9. この栽培では結果枝の他に予備枝を配置し、新梢の摘芯や誘引により、充実した結果母枝の確保をする。

成果の活用面・留意点
  1. 「新秋」と「太秋」は、へたすきや条紋が発生しやすいため、後期の果実肥大管理に注意する。

  2. 低樹高化により鳥獣害多発地域のネット被覆等の施設栽培に応用できる。

  3. ポット栽培の経済寿命は、今後の継続調査が必要であるが、計画的な樹の更新により収量維持が可能と考えられる。

図表1 219908-1.jpg
図表2 219908-2.jpg
図表3 219908-3.jpg
図表4 219908-4.jpg
カテゴリ かき 施設栽培 施肥 早期成園化 鳥獣害 低樹高 品種 良食味

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