モモ「清水白桃RS」の花器の形態異常による結実率の低下

タイトル モモ「清水白桃RS」の花器の形態異常による結実率の低下
担当機関 岡山大学
研究期間 2001~2004
研究担当者 岡本五郎(岡山大学)
大塚雅子
藤井雄一郎
日原誠介
発行年度 2004
要約 モモ「清水白桃」に放射線を照射して育成した黒斑病抵抗性品種「清水白桃RS」 の結実率が「清水白桃」と比べて低いのは、「清水白桃RS」の雄性器、雌性器が異常な不完全花が多いためである。
キーワード モモ、花器不全、結実率
背景・ねらい モモ「清水白桃」に放射線を照射して育成した黒斑病抵抗性品種「清水白桃RS」(2004年11月8日に品種登録)は、果実品質は「清水白桃」とほぼ同等であるが、結実率が低い傾向が見られた。そこで、花器の形態観察から結実率が低い原因の解明を行う。
成果の内容・特徴
  1. 「清水白桃RS」の結実率は、「清水白桃」の3~4割である(表1)。
  2. 「清水白桃RS」は、葯の大きさが「清水白桃」と比較して小さく、花粉量が少ない。また、形態の異常な花粉が4割近くあり、花粉の発芽率が低い(表2)。
  3. 人工受粉を行った場合、花柱の基部まで到達した花粉管数に「清水白桃」との差は認められない(表3)。
  4. 子房の内部を観察すると、「清水白桃RS」は胚珠や胚のうの退化している不完全花が5割程度と多い。また、胚珠の大きさが小さく、発育が劣る(表4)。
  5. 以上の結果から、「清水白桃RS」の結実率が低いのは、雄性器(花粉や葯)、雌性器(胚珠や胚のう)の形態的な異常によるものであると考えられる。

成果の活用面・留意点
  1. 「清水白桃RS」は、結実率が低いので、摘蕾は行わない。
  2. 結実率が低い特性を生かして、摘蕾、摘果作業を省ける可能性がある。

  3. 「清水白桃RS」の収量性、作業の省力程度については今後検討を行う。

図表1 219915-1.jpg
図表2 219915-2.jpg
図表3 219915-3.jpg
図表4 219915-4.jpg
カテゴリ 受粉 抵抗性品種 品種 もも

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