ハーブの芳香を付加した乳牛ふん発酵堆肥の作製

タイトル ハーブの芳香を付加した乳牛ふん発酵堆肥の作製
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2001~2005
研究担当者 高田 修
小鴨 睦
天橋一路
発行年度 2004
要約 乳牛ふん堆肥の不快な臭気を除去するために、ハーブを副資材として使用した牛ふん堆肥を作製する。ハーブの混合により堆肥の発酵が促進され、有機物消失率も高まる。オレガノ使用で芳香が強く付加され、コマツナ栽培試験でも良好な成績である。
キーワード ハーブ、オレガノ、乳牛ふん堆肥、芳香、発酵促進
背景・ねらい 農業部門以外への積極的な堆肥の消費拡大が必要である。家庭園芸等での乳牛ふん堆肥の利用を促進するためには、堆肥特有の不快な臭気が障害になる。このため、副資材としてハーブを使用し、ハーブの芳香を付加した快適な堆肥を簡易に作製する。
成果の内容・特徴
  1. ハーブとして、ペパーミント、オレガノ、フェンネル、アニス、キャラウエイ、クローブを使用する。戻し堆肥で約70%の水分に調整した生ふん(生ふん区)と、上記生ふんを撹拌式発酵ハウスで2週間処理した水分約50%のもの(処理ふん区)に、重量比で生ふん区は3~11%、処理ふん区は4~16%のハーブを混合し、容量約80リットルのポリエステル桶で1週目ごとに切り返しを行い、4週間発酵処理する。対照区は、ハーブ無混合で同様の処理をおこなう。
  2. ハーブ堆肥の期間内平均発酵温度は、全て対照区より高く、発酵が促進される(図1)。
  3. ハーブ堆肥の有機物消失率は、クローブ処理ふん区を除いて全て対照区より高く、発酵促進により良好な堆肥が作製できる(図2)。
  4. ハーブ堆肥の臭気は、オレガノ区が最も強く付加されており、堆肥の不快な臭気が感じられない(図3)。
  5. オレガノ区の約半年保存堆肥の官能検査による快・不快度の臭気度評価(-4~4)では、対照区は-1.2であるが、生ふん区は0.5、処理ふん区は1.8で、良好な評価である。
  6. オレガノ生ふん区の保存堆肥を用いたコマツナ栽培試験では、対照区は生育障害が見られるが、オレガノ区は良好な発育である(図4)。

成果の活用面・留意点
  1. フェンネル、アニス等のハーブにおいても芳香を付加した良好な堆肥ができる。
  2. 処理後、乾燥させることにより、長期に良好な保存ができる。
  3. 短期間での簡易処理で良好な堆肥が出来るため、一般家庭においても容易に作製することが出来る。

図表1 219932-1.jpg
図表2 219932-2.jpg
図表3 219932-3.jpg
図表4 219932-4.jpg
カテゴリ オレガノ 乾燥 キャラウエイ こまつな 消費拡大 乳牛 フェンネル

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる