タイトル |
暑熱期におけるブロイラー生産性向上のための制限給餌法 |
担当機関 |
山口畜試 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
宮本和之
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発行年度 |
2004 |
要約 |
暑熱期、ブロイラーの肥育後期において10時~20時の制限給餌(絶食)は、不断給餌に比べ昼間の体温が低く推移し、育成率の改善、生産性向上に寄与する。
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キーワード |
ニワトリ、肉用鶏、制限給餌
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背景・ねらい |
ブロイラーにおいて増体性能と耐暑性能には負の相互関係があり、また、制限給餌が暑熱事故対策として一定の効果があるとされているが、その時間等には検討の余地がある。そこで、暑熱期のブロイラーにおける肥育後期に制限給餌を行い、体温に係る熱産生を抑制することにより生産性向上に最適な制限給餌時間を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 肥育後期44~50日間における不断給餌区の体温は、雌雄とも気温の上昇とともに高くなり、雄の体温と気温間には、1次回帰式Y(体温)=35.57+0.2641X(気温)、(r=0.828)が得られ、制限給餌10時~18時30分区及び10時~20時区の体温は、回帰式より低温域に多く分布する (図1)。雌においても雄と同様である。
- 日中9時~13時までの体温上昇は、雌雄とも全ての制限給餌区において不断給餌区より抑制され、また、9時~21時の平均体温は制限給餌時間が最も長い4区が不断給餌区より低い(表1、2)。
- 雌で体温の上昇とともにGOT(IU/L)、CPK(IU/L)は高値となり、暑熱による筋肉等の変性が考えられるが、4区のGOT 207、CPK 3880は、1区のGOT 268、CPK 7820より低くなり、制限給餌が暑熱の影響を軽減している。
- 7週齢の体重は、雌雄とも試験区間に差を認めない(表3)。
- 育成率(%)は、4区の雄で93.8と1区80.0より高く、雌雄合計でも4区は95.4と1区86.9より高い(表3)。
- 雌雄合計の生産指数は、4区が223.7と1区202.0、2区199.0、3区193.9より高い(表3)。
- 解体成績は、試験区間に差を認めない。
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成果の活用面・留意点 |
- 暑熱期において肥育後期44日~50日の制限給餌は、不断給餌に比べ昼間の体温が低く推移するため、暑熱事故回避の一助となる。
- 暑熱期における生産性向上のための制限給餌時間は、雌雄混合肥育で10時~20時までが最適である。
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今回の制限給餌は、肥育後期に24時間点灯下で行うため、開放鶏舎で散水、送風等の一般的な暑熱対策と合わせて実施する場合に適する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
耐暑性
鶏
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