香川県下の黒毛和種の母性遺伝効果の推定

タイトル 香川県下の黒毛和種の母性遺伝効果の推定
担当機関 香川畜試
研究期間 2004~2005
研究担当者 橋本和博
高橋和裕
谷原礼論
中嶋哲治
渡邉朋子
発行年度 2004
要約 家畜市場に出荷された県内産子牛の出荷体重を用いた直接的遺伝効果の遺伝率は0.29で、母性遺伝効果の遺伝率は0.22で、遺伝相関は-0.29でる。
キーワード 肉用牛、黒毛和種、繁殖雌牛、母性遺伝効果、育種価
背景・ねらい 香川県内の繁殖農家は、これまで市場性を重視した子牛を生産してきたが、近年においては、枝肉成績を活用した育種価による交配計画も進められている。繁殖雌牛の選抜の際もこの枝肉成績の育種価を活用する傾向にあるが、離乳前の子牛の発育は、子牛自身の発育性と母牛の哺育能力との複合形質であり、繁殖雌牛の改良や選抜の際には哺育能力も考慮することが重要な形質である。しかしながら、これまで、香川県下では、哺育能力について充分な検討がなく、適切な指標として改良を進めることがなかった。そこで、子牛市場の出荷時体重を用いた母性遺伝効果の解析を行い今後の改良方針の一助とする。
成果の内容・特徴
  1. 平成13年4月から平成15年6月に香川県家畜市場に出荷された6カ月齢~13カ月齢までの県内産黒毛和種子牛のうち受精卵移植産子を除き、一農家当り3頭以上の出荷記録があるデータ1,037頭を用いる。

  2. 直接的遺伝効果の遺伝率は0.29で、母性遺伝効果の遺伝率は0.22、遺伝相関は-0.29である(表1)。

  3. 種雄牛298頭の直接的遺伝効果(-20.176kg~25.663kg)と母性遺伝効果の育種価(-33.896kg~20.316kg)が得られる(図1)。

  4. 繁殖雌牛2,439頭の直接的遺伝効果(-13.219kg~16.175kg)と母性遺伝効果(-36.223kg~22.937kg)の育種価が得られる(図2)。

  5. 香川県下の牛群では、直接的遺伝効果、母性遺伝効果の育種価の両方を指標とした改良が必要である。

成果の活用面・留意点
  1. 長期間に亘った子牛市場成績でないため、繁殖雌牛の一頭当たりの記録が少ない。

  2. 農家個人による選抜や改良の参考として活用することが可能である。

  3. 産肉形質の育種価同様に、母性遺伝効果の育種価も含めて、総合的に繁殖雌牛群の整備を進めていくことが重要である。

図表1 219942-1.jpg
図表2 219942-2.jpg
図表3 219942-3.jpg
カテゴリ 育種 受精卵移植 出荷調整 肉牛 繁殖性改善

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