pF2.8以上に乾燥した土壌の乾燥程度を判定する安価な測器

タイトル pF2.8以上に乾燥した土壌の乾燥程度を判定する安価な測器
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2003~2005
研究担当者 黒瀬義孝
発行年度 2005
要約 pF2.8以上に乾燥した土壌の乾燥程度を判定できる。測器上部に溜まった空気層の厚さから土壌の乾燥程度を判定する。指示値は乾燥に強い作物の灌水指標となる。
キーワード 土壌水分、灌水指標、pF
背景・ねらい 土壌の乾燥程度を知ることは、作物へ適切に灌水するために非常に重要である。しかし、土壌水分を計る測器として最も普及しているテンシオメーターでは、pF2.8以上に乾燥した土壌では使用できない。さらに、比較的安価とされるテンシオメーターでも一般の農家が使うには高価である。そこで、pF2.8以上に乾燥した土壌の乾燥程度を判定でき、かつ、安価な測器を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 開発した測器はポーラスカップ、透明の塩ビ管、ゴム栓から構成される(図1)。構造が簡単で、約1000円と安価である。ポーラスカップ部分を土壌に埋設した後、塩ビ管に水を満たし、ゴム栓で栓をすることにより測定できる。
  2. 土壌のpF値が2.8以上になると、ポーラスカップを通して塩ビ管内部の水が出て行くとともに、塩ビ管内部に空気が入り、負圧によって空気が膨張する。塩ビ管上部の空気層の厚さ(指示値)を読むことにより、土壌の乾燥程度が判定できる(図1)。
  3. この測器には2通りの使用方法がある。すなわち、(1)毎日、指示値を読み取った後、水を補充する方法。この場合、指示値は土壌が乾燥するほど大きな値となる(図2)。(2)塩ビ管内部の水が無くなるまで水を補充しない方法。この場合、土壌の乾燥程度とpF2.8以上の期間に応じて指示値は大きくなる。図3の●は水を補充しない方法での指示値であり、□は毎日水を補充する方法での指示値を積算した値である。(2)の方法の指示値は、(1)の方法で測定した指示値を積算した値とほぼ一致する(図3)。
  4. 灌水や降雨によって土壌のpF値が2.8未満になると、負圧が無くなり、指示値はほぼ0に戻る(図3)。
  5. 大豆の莢伸長期における試験から、水を補充しない方法での指示値が100cm以下では青立ちの発生は少ないが、140cm以上では青立ちが多発する(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 土壌の乾燥程度が判定でき、作物の灌水指標として利用できる。
  2. 土壌のpF値が2.8未満では指示値は0である。そのため、灌水の目安がpF2.8未満の作物には使用できない。
  3. 図2に示す土壌水分と指示値の関係は、土壌の種類やポーラスカップの材質によって異なる。
  4. 塩ビ管に水を補充する場合、水をいっぱいまで入れてゴム栓をすることにより、塩ビ管内部に空気が残らないようにする。
図表1 220008-1.gif
図表2 220008-2.gif
図表3 220008-3.gif
図表4 220008-4.jpg
カテゴリ 乾燥 大豆

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