飼料中のカルシウム・マグネシウム・カリウム含量を、目視で判定する

タイトル 飼料中のカルシウム・マグネシウム・カリウム含量を、目視で判定する
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2003~2006
研究担当者 西口靖彦
安藤 貞
早坂貴代史
発行年度 2005
要約 飼料中のカルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)・カリウム(K)含量は、1%塩酸抽出法と比色法を組み合わせることにより、1時間以内で測定が可能である。あらかじめ含量が判っている飼料と並行して処理すれば、色調から各ミネラルの過不足が目視で判定できる。
キーワード 乳肉用牛、飼料、カルシウム、マグネシウム、カリウム
背景・ねらい 飼料中のミネラルバランスは、乳肉用牛の生産性に影響を及ぼす。一般に、CaとMgは不足しやすく、Kは過剰になりやすい。特に、自給飼料ではこれらのミネラルバランスを、定期的に定量するのが望ましい。従来の方法は、分析に高価な機器と日数を要していたため、迅速に測定する方法を確立するとともに、ミネラルの過不足を簡便に判定する方法を開発し、健全な畜産物生産に資する。
成果の内容・特徴
  1. 分析試料調製法は、従来の灰化法(乾式・湿式)に代わり、希塩酸抽出法とする。風乾して粉砕した飼料1gに対し、50mlの1%(w/v)塩酸を加えて15分以上振とうすることにより、3ミネラルは抽出される。
  2. 濃度測定法は、従来の原子吸光法に代わり、比色法とする。Caはクレゾールフタレイン法、Mgはキシリジルブルー法、Kはテトラフェニルホウ素法で測定する。Caは薄赤色、Mgは紫色、Kは白色を呈する。これらの方法は、各ミネラルに特異的で、他元素による影響を受けない。
  3. ミネラル濃度が高いほど、呈色が濃くなる。上記の抽出条件での各ミネラル測定域(%乾物)は、Caが0.1∼0.5、Mgが0.05∼0.3、Kが1∼3である(図1)。
  4. 従来の灰化法+原子吸光法と、今回の抽出法+比色法とで、測定結果を比較すると、CaとMgは両者はほぼ一致するが、Kは抽出法+比色法が過小評価傾向を示す(図2、3、4)。
成果の活用面・留意点
  1. ミネラル濃度を調査しようとする飼料と、あらかじめ灰化法+原子吸光法で含量を求めてある対照飼料と同時並行的に処理し、色の濃さを目視で判別する。これにより、自給飼料のミネラルバランスや給与の可否が迅速に判定できる。
  2. ミネラル含量既知の対照飼料は、調査飼料と同じ種類のものとする。簡便的には、ミネラル含量既知のイタリアンライグラス、アルファルファ、コーンサイレージ、圧片大麦、大豆粕の5種を用意し、調査飼料の種類に近いものを選択する。
  3. 温度等により発色が変化するため、必ず調査飼料と対照飼料とを、毎回同時に処理する。
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図表1 220031-1.gif
図表2 220031-2.gif
図表3 220031-3.gif
図表4 220031-4.gif
カテゴリ アルファルファ イタリアンライグラス 大麦 大豆粕 肉牛

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