ウイロイドの複合感染はウンシュウミカンの収量と果実品質を低下させる

タイトル ウイロイドの複合感染はウンシュウミカンの収量と果実品質を低下させる
担当機関 山口大島柑試
研究期間 2005~2007
研究担当者 棟居信一
村本和之
東浦祥光
発行年度 2005
要約 カラタチ台のウンシュウミカンが複数のウイロイドに感染すると、収量が低下し、果実のクエン酸含量が高くなる。
キーワード カンキツ、ウンシュウミカン、ウイロイド、収量、果実品質
背景・ねらい カンキツが保毒するウイロイドには、カンキツエクソコーティスウイロイド(CEVd)、ホップ矮化ウイロイド(HSVd)など計6種類があり、近年「不知火」等カンキツの新品種において、CEVd以外のウイロイドの複合感染が多く見られる。ウイロイドの複合感染により、台木部の剥皮症状や樹勢低下が生じることが明らかになっているが、収量や果実品質に及ぼす影響については不明な点が多い。そこで、ウンシュウミカンの苗に「不知火」が感染している5種類のウイロイド接種して、その影響を解明する。
成果の内容・特徴
  1. CEVd以外の5種類のウイロイド(HSVd、CVd-Ⅲ、CVd-Ⅳ、カンキツベントリーフウイロ イド(CBLVd、特殊な変異株CVd-Ⅰ-LSSを含む)、およびCVd-OS)に複合感染した「不知 火」の穂木をカンキツトリステザウイルス(CTV)免疫性のカラタチに一度接木してCTVを 除去後、カラタチ台「上野早生」ウンシュウ(以下、カラタチ台「上野早生」と記す)の3 年生苗木に接木してウイロイドを接種すると、接種して4年後から収量が無接種樹に比 べて少なくなり、8年後には無接種樹の約2割に低下する(図1)。果実重については、 無接種樹との差は認められない(表1)。
  2. 5種類のウイロイドを接種したカラタチ台「上野早生」の果実は、無接種樹に比べ収  穫時のクエン酸含量が0.1から0.2%高くなる(図2)。糖度は0.3%高くなるが、接種  樹との差は認められない(表2)。
  3. 以上のように、ウイロイドの複合感染はカラタチ台ウンシュウミカンの収量に大きな 影響を及ぼすと同時に、酸が高くなり食味が低下の原因となる可能性が高い。
成果の活用面・留意点
  1. 本データは5種類のウイロイドに複合感染した場合の結果である。
  2. 高接ぎの繰り返しによる穂木の増殖は、複数のウイルスやウイロイドに感染する危険 性が高まるので、中間台木のウイルス、ウイロイドの検定も行う。
図表1 220087-1.jpg
図表2 220087-2.jpg
図表3 220087-3.jpg
図表4 220087-4.jpg
カテゴリ 温州みかん 新品種 台木 高接ぎ 良食味 その他のかんきつ

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