泌乳前期における混合飼料中の稲発酵粗飼料の給与割合は25%程度が適正

タイトル 泌乳前期における混合飼料中の稲発酵粗飼料の給与割合は25%程度が適正
担当機関 広島畜技セ
研究期間 2003~2005
研究担当者 新出昭吾
坂井宏行
大坂隆志
発行年度 2005
要約 給与する混合飼料中の稲発酵粗飼料の乾物混合割合が25%程度であれば、分娩後10週程度までの泌乳前期における乳牛の乳量や乳成分は維持できる。
背景・ねらい 泌乳前期に、同じイネ科粗飼料の稲発酵粗飼料とチモシー乾草をそれぞれ乾物30%混合した混合飼料(TMR)を給与した場合、稲発酵粗飼料のTMRでは繊維の消化性の低さによる乾物摂取量の抑制や、ふん中への子実排せつによる養分損失により、結果として養分摂取量が低下し、乳量の低下が認められた。この結果は、稲発酵粗飼料の栽培・利用の普及を妨げる要因となる。
そこで、乳量や乳成分が維持可能な泌乳前期におけるTMR中の稲発酵粗飼料の適正な混合割合を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 出穂後30日に刈取調製したクサノホシの稲発酵粗飼料を、設定切断長3cmに細断し、乾物で25%を含むTMR(25%区)と30%を含むもの(30%区)を調製する。いずれのTMRも乾物含量は60%、粗タンパク質(CP)含量は16.5%、可消化養分総量(TDN)含量は75.6%とする。
  2. 乾物摂取量は、25%区が30%区よりも分娩後10週程度まで高く推移する(図1)。
  3. 乳量は、乾物摂取量と同様に25%区が分娩後10週程度まで高く推移する(図2)。
  4. 飼料効率(乳量/乾物摂取量)は25%区が1.85±0.16、30%区が1.67±0.19で推移する(図3)。
  5. 乳成分は、30%区の乳タンパク質率、無脂固形分率がやや高い(表1)。
  6. 乳汁中尿素窒素は、25%区が低く推移する(表1)
  7. 第一胃内容液性状のpHや低級脂肪酸割合は差がない(表1)。
  8. 乳量や乳成分の維持には、分娩後10週程度までのTMR中の稲発酵粗飼料の乾物混合割合は25%程度が望ましい。なお、分娩後10週以降であれば、30%でも問題ない。
成果の活用面・留意点 TMRに混合する稲発酵粗飼料の切断長は、乾物摂取量が抑制されず、子実排せつ率が改善される3cm程度が望ましい。
図表1 220193-1.jpg
図表2 220193-2.jpg
図表3 220193-3.jpg
図表4 220193-4.jpg
カテゴリ 飼料効率 乳牛

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