タイトル |
軟弱野菜の簡易根切り機 |
担当機関 |
奈良農総セ |
研究期間 |
2006~2006 |
研究担当者 |
三晃精機株式会社
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発行年度 |
2006 |
要約 |
切断刃の形状が曲面で、軽量かつ操作性の高い軟弱野菜の簡易根切り機である。本機を利用した ホウレンソウの収穫作業において、作業時間が手作業の29%、市販機の50%に短縮される。
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キーワード |
軟弱野菜、収穫、軽労化
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背景・ねらい |
ホウレンソウを始めとした軟弱野菜における、慣行の収穫方法は根切り鎌等を用い、屈んだ姿勢が 継続するため作業者の身体に対する負担が大きい。市販の根切り機を県内産地において試用した結果、 次の問題点が認められた。(1)刈り取り刃が直線状で水平に固定され、土中を移動するため大きな抗力が 発生する。さらに刃が下葉に接触し損傷を与える。(2)4輪が台車に固定されているため操作性が不良で ある。その結果、切断位置を一定に保つことが困難である。そこで軟弱野菜の収穫作業の軽労化を目的として、 これらの問題点を解決した根切り機を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本機は、切断刃は新規に曲面刃を考案、支持車輪は1軸2輪としている (図1)。2輪はそれぞれ独立差動回転するため操作性が高い。 構造体はアルミニウムとし、質量が市販機の10㎏に対し2㎏と大幅に軽量化している。
- 本機の曲面刃は、刃の一部しか土中に潜入しないため、操作時の負荷が軽減される。また軟弱野菜の 下葉に刃が接触しにくく、収穫物の傷みが少ない。この刃は本体側に収納が可能であり、運搬時の安全性が 確保される。
- 本機を用いてホウレンソウを収穫(条間15㎝、株間8㎝)すると、作業時間が手作業の29%、市販機の 50%に短縮される(表1)。作条方向に隣接した株の根を連続して 切除できるので(図2)、数株を一度に収穫してコンテナに収納でき、 下葉の損傷が少なく調製歩留りが高い(表1)。切断位置も市販機に 比べて、一定している(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 切断刃が鋭利なため収穫作業時には特に注意が必要である。
- 5万円以下を目標に市販化を予定している。
- 本試験はホウレンソウについて植壌土圃場で実施しているので、他の軟弱野菜(アブラナ科等)、 他種の土壌による適応性について検討が必要である。
- 作業者の身長により、根切り刃の根に対する角度が大きく変わらないように、本体長±10㎝の 合計3機種を用意している。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
あぶらな
軽労化
市販化
ほうれんそう
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