都市厨芥を乾燥・脱脂して製造したリサイクル飼料の肥育豚への給与

タイトル 都市厨芥を乾燥・脱脂して製造したリサイクル飼料の肥育豚への給与
担当機関 山口畜試
研究期間 2005~2008
研究担当者 大賀友英
太田壮洋
秋友一郎
菅原健介
発行年度 2006
要約 都市厨芥を乾燥後に脱脂して製造したリサイクル飼料は、市販配合飼料の一部として代替給与 しても、肥育豚の発育や市場成績に悪影響を及ぼすことはなく、豚用飼料として利用可能である。
キーワード ブタ、リサイクル飼料、脱脂
背景・ねらい 食品の流通過程では大量の食品廃棄物が発生しており、循環型社会を構築するという観点から 食品循環資源の豚用飼料としての再生利用が注目されている。
平成16年に県内業者から学校給食の食べ残しやコンビニエンスストアの廃棄弁当等の都市 厨芥[ちゅうかい](以下、都市厨芥)を用いて試作した飼料の提供を受け、 飼料の一般成分を分析したが、粗脂肪含量が高く、豚用飼料として利用した場合には軟脂豚の発生が 懸念された。
このため、製造工程での脱脂処理により粗脂肪含量の低減を図るとともに、脱脂した飼料 (以下、リサイクル飼料)を肥育後期の豚に給与し、豚用飼料としての利用性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 都市厨芥を減圧乾燥機により70℃6時間で乾燥後、圧搾機で脱脂することにより、粗脂肪を 10%程度に調製することが可能である(表1)。
  2. リサイクル飼料は、市販配合飼料より高蛋白、高脂肪でTDNが高いため、市販配合飼料の一部を リサイクル飼料で代替することにより、給与飼料のエネルギー水準は高くなる (表1)。
  3. 市販配合飼料の20~50%をリサイクル飼料で代替することで、肥育豚の発育が早くなる。 飼料要求率は対照区と比べて低くなる傾向がある(表2)。
  4. 市販配合飼料の50%をリサイクル飼料で代替しても、格付などの市場成績に影響は認められない (表3)。
  5. 市販配合飼料の30%以上をリサイクル飼料で代替すると、体脂肪中の不飽和脂肪酸の比率が 高くなり、脂肪融点が低下する(表4)。
  6. 以上のことから、市販配合飼料の一部をリサイクル飼料で代替した高エネルギー飼料を 給与することで、肥育豚の発育は早まり、50%をリサイクル飼料で代替しても、格付などの 市場成績に影響はなかったことから、豚用飼料として利用可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 焼却や埋立により処理されていた食品廃棄物を豚用飼料として利用することで、食品循環資源の 再生利用率の向上が期待できる。
  2. リサイクル飼料は一般的に市販配合飼料より安価なため、利用する養豚農家にとっては 飼料費が節減できる(表5)。
  3. リサイクル飼料の一般成分は、その原料によって大きく変動する可能性がある。
  4. リサイクル飼料の代替率が高くなると、肥育豚の体脂肪の融点が低下する傾向が 認められるため、利用に当たっては注意が必要である。
図表1 220311-1.jpg
図表2 220311-2.jpg
図表3 220311-3.jpg
図表4 220311-4.jpg
図表5 220311-5.jpg
カテゴリ 乾燥

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