タイトル |
高圧通気マットによる乳牛排せつ物の堆肥化 |
担当機関 |
島根畜技セ |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
宇谷道弘
村尾克之
竹並敦子
飯島久実
有馬儀信
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発行年度 |
2006 |
要約 |
高圧空気を微量吐出するノズルを装着したマットを床に敷き、その上に堆肥化原料を堆積して 通気をすれば、切り返しが不要なので、野外でシートで覆った堆肥化にも利用できる。
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キーワード |
家畜排せつ物、畜産環境、堆肥化、通気、ノズル
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背景・ねらい |
堆肥化において、好気性発酵を促進するに切り返しや撹拌が必要であるが、野外で非透水性シートを 被せて低コスト化を図るシート方式堆肥化方法では、切り返し作業は困難である。この作業を 省略するため、ブロワーで通気する方法が一般的ではあるが、数ヶ月の処理期間中に堆積物が重圧で 締まり、通気が難しくなることもある。そこで、高圧空気を微量吐出するノズルを装着したマットを 堆肥盤に敷くことで、確実に通気できる「高圧通気マット方式堆肥化方法」を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 高圧通気マットは1.2x 1.8m、厚さ4cmの硬質ゴム製の牛床マットに、吐出口径が0.2mm、 0.5MPa(5気圧)の圧縮空気を送ると毎分2リットルの吐出量がある微孔ノズルを60cm間隔で 6個埋め込み、内径4mmの耐圧チューブで配管する(図1)。
- 装置の設置は、高圧通気マットを堆肥化量規模に応じて必要な面積に敷き詰め、隣のマットと チューブを接続するだけで、特別な工事は不要である。
- 水分約72%に調整した乳牛排せつ物を、高圧通気マットを12枚用いた「通気あり」の区と 高圧通気マットを用いない「通気なし」の区に分けて堆積して堆肥化すれば、発酵温度 (図2)や総乾物分解率 (表1)において通気の効果が顕著に認められる。
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成果の活用面・留意点 |
- 堆肥化期間は原料や製品の積み替え時間等を入れても3.5ヶ月あれば十分であることから (図2)、乳牛1頭当たり必要なマットは2枚である。
- 導入コストは高圧通気マット1枚(2.16平方m)当たり5万円程度である。また、 ランニングコストは電気料金がマット1枚当たり約1日30円である。
- 設置は堅い地面であれば、多少の凸凹はマットがゴム製なのでなじみやすく、場所は特に 選ばない。なお、マットの寿命は未検証である。
- 堆肥化用の通気性シートを用いても、水分の蒸発量が少ないので、低水分堆肥の生産は難しい (表1)。
- この装置は一部に市売されてない特殊部品(島根県所有の特許)も含むことから、導入希望が あれば島根畜技センターへ相談すること。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
低コスト
乳牛
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