スイカ耐病性共台「どんなもん台」の育成

タイトル スイカ耐病性共台「どんなもん台」の育成
研究期間 1996~2006
研究担当者 前田英博
竺原宏人
発行年度 2007
要約 シクラメンでは液肥施用時の窒素成分の硝酸態およびアンモニア態窒素の成分比を7:3に調製した液肥を施用して栽培すると生育が良好となり、出荷後の鉢花品質を高く維持することができる。
キーワード シクラメン、鉢花品質、施肥、窒素形態
背景・ねらい 鳥取県のスイカは生産量全国第5位で、市場から日本有数の産地として高い評価を得ている。本県のスイカ栽培は、近年、つる割病などの土壌病害の発生により生産が不安定となっており、土壌病害に強い新しい台木が求められている。
そこで、アフリカで採種し、当場が所有している野生スイカの種子集団を活用して、つる割病に強いスイカ台木を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 野生スイカの種子集団(101001-1等)を播種し、発芽後の幼苗時につる割病菌(供試菌株は県内産地から採取した病原性の強い菌株)を接種して全く発病しない株を選抜した。この選抜株を、隔離ほ場で栽培して、自殖種子を得た後、再度は種を行い、接種・選抜・自殖種子の採種を繰り返し、より病気に強いものを選抜した。
    この作業を5~6世代繰り返して育成した「どんなもん台」は、スイカつる割病及びユウガオつる割病に安定して強い。
  2. どんなもん台」のつる割病に対する耐病性は、ユウガオ台品種(「かちどき2号」「パワーサンタ」「台力」等)や共台「強剛」「友宝」よりも強い(表1)。
  3. 「どんなもん台」をスイカ台木に用いると、糖度はユウガオ台品種(「かちどき2号」「パワーサンタ」)よりやや高く、共台品種「強剛」と同程度で(表2)、食味もよい。
  4. 現地黒ボク畑での適応性試験では、「どんなもん台」は「強剛」より、草勢は旺盛で、萎れにくく、果実肥大・品質とも同等以上である(表3)。
    また、現地砂丘畑での適応性試験でも、「どんなもん台」は「かちどき2号」より、草勢が旺盛で、葉の枯れ上がりが少なく、果実肥大・品質とも同等以上で、栽培適性が高い(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. ユウガオ台よりも低温伸長性が劣るため、早植えの場合、草勢が弱く、このため果実はやや小さめとなるので、各作型での早植えは避ける。
  2. 「どんなもん台」は現在、種苗登録申請中。普及対象地域は、当面は鳥取県内限定を予定している。
図表1 220401-1.jpg
カテゴリ シクラメン 出荷調整 すいか 施肥 台木 播種 品種 ゆうがお 良食味

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