タイトル |
イチゴ実生育苗の花房伸長方向制御法 |
担当機関 |
香川農試 |
研究期間 |
2006~2006 |
研究担当者 |
加藤伊知郎
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発行年度 |
2007 |
要約 |
イチゴの実生苗を用いた栽培において、育苗期にセルトレイに25~45度の傾斜を与えることや、葉柄基部を押さえて横に倒すことで、その後の花房の伸長を一定方向に制御できる。
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キーワード |
イチゴ、実生苗、花房伸長
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背景・ねらい |
種子繁殖によるイチゴの栽培は、育苗の分業化や親株からの病害の伝染防止に効果が期待され、その実用化が望まれている。しかし、種子繁殖したイチゴは、親株由来のランナー軸を持たないため、慣行のランナー軸を目印にした花房伸長方向の制御が出来ない。これまでの研究で、花房伸長方向はランナー軸だけでなく、クラウン部分の傾斜の向きによっても影響を受けることが明らかにされており、苗を横に倒した定植技術が確立されている。しかし、本県で普及しているバッグ式養液栽培では、定植苗の活着を良くするためには縦植えを行う必要があるなど、適応が難しい場合もある。そこで、育成中の実生個体を用いて育苗期の花房伸長方向制御技術について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- イチゴの実生育苗において、セルトレイを傾けたり、子苗の固定に使用されるピン等で葉柄基部を押さえてクラウンを横に倒すことで、その後の花房伸長を一定方向に制御できる(図1、図2、表1)。
- 花房の伸長方向に対する効果は、ピンで押さえてクラウンを横に倒す方が、セルトレイを傾けるより高い(表1)。
- セルトレイを傾ける場合は、傾斜角度を25~45度とする。25と45度では処理角度による効果の違いは認められない(表1)。
- 処理期間は、定植前の2週間程度とする。
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成果の活用面・留意点 |
- 本試験では、セルトレイ(外寸法:高さ93mm×幅300mm×長さ600mm、45穴、セルの寸法:直径50mm×深さ80mm、容量130ml/穴)で養成した実生苗を用いた。
- セルトレイを傾けるとピンで押さえる場合より大量に処理できるが、かん水時は水平にする必要があるため、省力的に作業を行うには育苗施設等に工夫が必要である。
- ピンで押さえる場合、事前に葉かぎ作業を行い処理期間中に過繁茂にならないよう注意する。
- セル穴に目印が設けられたトレイを利用すると、定植時の苗の扱いが容易である。
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図表1 |
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カテゴリ |
育苗
いちご
栽培技術
繁殖性改善
養液栽培
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