タイトル |
カキ1年生台木の管理および接ぎ木方法(カキ幼苗接ぎ木法) |
担当機関 |
奈良農総セ |
研究期間 |
2005~2008 |
研究担当者 |
今川順一
植木勧嗣
杉村輝彦
脇坂 勝
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発行年度 |
2007 |
要約 |
加温条件下で播種しポット育苗した台木に子葉等を残して切接ぎを行う方法で、台木の播種から1年以内の苗生産ができる。
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キーワード |
カキ、接ぎ木方法、ポット育苗、台木、穂木
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背景・ねらい |
カキ苗の生産は、基本的に露地で台木育成し、1年目の秋に芽接ぎもしくは2年目の春に切り接ぎして行う。この場合、芽接ぎであっても新梢伸長は翌年の春のため、結果的に苗生産には2年を要する。また、出荷時には掘り上げるために根部が切断、乾燥するため定植後の活着に問題を生じている。大苗育苗等を実施する場合も上記苗を用いるため、ポット栽培時における生育について問題が多い。以上から、苗生産期間の短縮および定植後の活着促進による早期成園化を目指して、ポット栽培で根圏を形成させた1年生台木に接ぎ木苗木を生産する技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 1月~2月にセルトレイ等に播種し、加温下で育苗・鉢上げした苗を台木として、子葉もしくは本葉を付けたまま、冷蔵庫等で保存したカキ「富有」休眠枝を穂木として切接ぎを実施すると、4月から8月の全期間で高い活着率を示し、新梢伸長後はそのまま苗として販売もしくは大苗育苗できる(表1、図1、図2)。
- 新梢は早い時期に接ぎ木を実施するほどよく伸長する傾向が見られる(表1)。
- 当年枝を用いた場合、葉を付けずに接ぎ木を行っても6、7月でも活着するが、8月~9月に接ぐと活着率が高くなる(表2)。
- 接ぎ木を実施する場合、台木として子葉もしくは本葉を付けたまま用いると接ぎ木部の茎径が2.0~2.4mmでも50.0%、2.5mmを越えると76.5~100%活着する(表3)。
- 接ぎ木後は、展葉・新梢伸長(30日程度)までは遮光(50%程度)、雨よけ、底面給水下で養生・管理する。
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成果の活用面・留意点 |
- 台木生産は、かん水可能であれば温床等の簡易加温装置でも育苗可能であり、加温施設で実施するよりも経営コスト削減が期待できる。
- カキ幼苗接ぎ木法は、他の品種でも問題なく使用できる(データ省略)。
- 接ぎ木時の茎径が小さくても、接ぎ木時期が早いほど二次伸長率が高くなり、新梢長が大きくなる(データ省略)。
- ポットサイズが大きいほど接ぎ木苗は大きくなる(データ省略)。
- 接ぎ木苗生産を実施する場合、台木部に子葉ないし本葉を付着させること、また、接ぎ木部の茎径が2.5mm以上あることが条件となる。
- 当年枝を直接使用する場合は充実したものを用い、8月、9月に実施することが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育苗
かき
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経営管理
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栽培技術
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早期成園化
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