京都府における果菜類及び豆類のLiriomyza属ハモグリバエの発生種構成

タイトル 京都府における果菜類及び豆類のLiriomyza属ハモグリバエの発生種構成
担当機関 京都府立大学農学研究科応用昆虫学研究室
研究期間 2000~2002
研究担当者 德丸 晋
阿部芳久(京都府立大農)
発行年度 2007
要約 京都府におけるトマト、キュウリなどに発生するLiriomyza属ハモグリバエは、トマトハモグリバエ、マメハモグリバエ及びナスハモグリバエの3種である。トマトハモグリバエが我が国に侵入・定着した2000年以降は、トマトハモグリバエが優占している。
キーワード トマトハモグリバエ、マメハモグリバエ、ナスハモグリバエ、優占種
背景・ねらい トマトハモグリバエは、我が国では1999年に初めて発見され、発生地ではトマト、キュウリ等に大きな被害を与えている。本種は同属のマメハモグリバエ及びナスハモグリバエと形態及び加害様式が酷似しており、識別がきわめて困難である。また、これら3種ハモグリバエは、広範囲なグループにわたる農作物を加害し、ハウストマトでは3種ハモグリバエが同時に発生した事例が報告されている。同時に発生することがある3種ハモグリバエの防除対策を構築するためには、まず正確な発生状況を把握する必要がある。そこで、京都府における3種ハモグリバエの発生種構成を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 1997年から2002年まで、毎年4月から12月までの期間中(4~7月:春期、8~12月:秋期)に随時、京都府内各地のトマトを加害しているハモグリバエの発生種を雄交尾器の形状の違い(Spencer, 1990)により同定した結果、1998年までに採集されたハモグリバエはマメハモグリバエ及びナスハモグリバエのみである。1999年の12月にはトマトハモグリバエが初めて採集されたが、マメハモグリバエ及びナスハモグリバエが優占した。しかし、2000年秋以降は、トマトハモグリバエが優占し、マメハモグリバエ及びナスハモグリバエの割合は急激に低下している(以上、図1)。
  2. トマトハモグリバエは、2000年以降、トマト以外のキュウリ、ナス、インゲンマメ等の作物においても種構成比率が9割以上と優占している(データ省略)。
  3. トマトハモグリバエは、初めて発生が確認された1999年には、向日市でのみ発生が確認されたが、2000年以降は地理的分布を拡げ、広く定着している(図2)。
  4. 2002年までにトマトハモグリバエの発生が確認された作物は、ウリ科、マメ科、ナス科、アブラナ科、アオイ科及びキク科の合計6科26種である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. トマトハモグリバエ、マメハモグリバエ及びナスハモグリバエは、ハウストマトで同時に発生することがある。
  2. トマトハモグリバエ及びマメハモグリバエの増殖能力は、高いので発生初期に防除の徹底を図る。
  3. トマトハモグリバエ及びマメハモグリバエに対して防除効果の高い殺虫剤は限られるので、防除を行う場合は発生種の把握に努める。
図表1 220466-1.gif
図表2 220466-2.gif
図表3 220466-3.gif
カテゴリ 病害虫 あぶらな いんげんまめ きく きゅうり トマト なす 防除

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