タイトル |
GIS互換の圃場地図を利用した作業計画・管理支援システム |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 |
2004~2007 |
研究担当者 |
吉田智一
高橋英博
寺元郁博
小林一(鳥取大学農)
大黒正道
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発行年度 |
2007 |
要約 |
多数の圃場を管理する生産法人や営農集団等において、空中写真画像や地形図画像の前面にESRIシェイプ形式の圃場図を重ね表示し、圃場単位の作付け・作業計画作成や栽培作業進捗・履歴管理などの情報管理を、視覚的に支援するソフトウェアである。
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キーワード |
生産管理、農場管理、圃場管理、作業計画、GIS、ソフトウェア
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背景・ねらい |
新たな米政策の下、農地集積や法人化・集団化の進展に伴い、地域農業の担い手は多くの圃場を管理しつつ、経営体として効率的な経営の実現を求められている。このように管理対象圃場が増えてくると、管理事務量も増大し、従来の経験や勘に頼った管理手法では、多数の圃場や作物、栽培管理作業などを効率的に管理することが困難となっている。 そこで、数十~数百筆の圃場を管理する担い手が、低コストで導入でき、かつ持続的な運用が可能な圃場生産管理支援システムを開発し、生産管理面での事務処理時間や管理コストの縮減を目指す。
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成果の内容・特徴 |
- 本システムは、圃場地図を表示しながら、圃場毎の作付けや栽培作業情報を視覚的に把握・管理するためのソフトウェアパッケージである(図1)。データ入力しながら、作付・作業計画の作成から栽培・作業管理、収穫物品質などの情報管理を支援するとともに、蓄積されたデータに基づく栽培技術改善点の把握などが可能となる。
- 圃場地図には、空中写真画像や地形図画像と、GIS(地理情報システム)互換のESRIシェイプ形式を使用している。これにより、自治体等が所有している圃場地図データとの互換性が高い。また、「圃場地図作成支援ソフト」(2006年度成果情報の改良版)が含まれており、同形式圃場図の作成・管理が可能である(図1:「圃場地図の作成・編集」)。
- 圃場に関連づけできる情報は、圃場そのものの情報(地名・地番、所有者、面積など)の他に、作付作物、作業計画・実績、土壌成分、収量・品質情報などである。これらの情報をシステム内の「台帳」に入力して管理するとともに、入力された各情報は、圃場地図上に着色表示され、視覚的に把握できる(図1:「作業計画管理」)。
- 地域農業の担い手などが多数の圃場で作物生産を行う際の情報管理ソフトウェアとして利用できる。また、実際の圃場にとらわれることなく、果樹や施設などの地図上の区画を作成することで、圃場以外を対象とした情報管理にも適用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 利用場面例としては、圃場所有者の条件別表示による圃場分散状況や土地利用状況の確認、ブロックローテーション計画作成や品種別作付状況確認、当初作業計画に対する作業進捗状況の把握や雇用作業者に対する日々の作業指示・実績管理、土壌成分や収穫物品質に基づく次回栽培設計への反映、などが挙げられる。
- 一部水稲(水田)を想定した機能・画面表示がある。その他の部分では、他作物での利用も可能である。
- 本システムは、農研機構の職務作成プログラムとして著作権登録されている。同時に無償提供許可を得ており、Webサイトを通じたダウンロード利用が可能となっている。具体的な入手方法や動作環境などの詳細については、本システムの情報公開Webサイト(http://www.aginfo.jp/PMS/)を参照のこと。
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図表1 |
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カテゴリ |
経営管理
コスト
栽培技術
作業管理
水田
水稲
低コスト
品種
圃場管理
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