タイトル |
大豆リポキシゲナーゼアイソザイムの簡易検出法 |
担当機関 |
大豆育種研 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
電気泳動法に替わる、大豆リポキシゲナーゼアイソザイムの簡便な検出法を開発した。検体(大豆粉末試料)に反応助長液と各アイソザイム検出溶液を加えると退色の有無によって、L-1、L-2、L-3の存否が3~5分で肉眼判定できる。
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背景・ねらい |
「九州111号」のリポキシゲナーゼ完全欠失性は交配により他の大豆品種に容易に導入できる。このような交配育種を効率的に進めるためには、煩雑な操作と時間を要する電気泳動法に替わる、リポキシゲナーゼアイソザイムの簡便な検出法が必要である。本研究では、特殊な機器を使うことなく、簡易・高精度に大豆リポキシゲナーゼアイソザイム(L-1、L-2、L-3)を検出できる手法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 検体(大豆粉末試料)に反応助長液と各アイソザイム検出溶液(色素-基質液)を加える操作のみで(図1)、L-1を含む大豆はTest Iにより、L-2を含む大豆はTest IIにより、L-3を含む大豆はTest IIIにより、検出溶液添加後3~5分で容易に検出できる(図2)。
- 本検出法は、大豆リポキシゲナーゼアイソザイムの色素退色能の差を利用したもので、Test IとTest IIではメチレンブルーを、Test IIIではβ-カロテンを用いる。Test IIIの反応助長液として大豆「関東102号」の抽出液(L-2のみを含む)を用いているのは、L-3によるβ-カロテンの退色がL-2共存下で促進される性質を利用している。
- 各Testに必要な試料大豆粉の量は「薬さじ(小)1スプーン(約5mg)程度」のラフなはかり方でよい。
- 3つのTestに要する試料大豆粉の量は合計10mg程度で十分である(図1)。種子の胚軸部分を傷つけないようにドリルで削り取る方法を用いると、供試大豆粒を検定後次世代の育成に利用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 特殊な機器や技術を必要とせず簡易迅速に多数の検体が処理できるため、育種の現場等で利用できる。
- Test IIIで用いる大豆「関東102号」の抽出液とβ-カロテン溶液は検定時に調製する必要がある。他の試薬は貯蔵可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育種
大豆
品種
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