阿蘇中標高地におけるロールベール乾草及びラップサイレージの高位生産体系の実証

タイトル 阿蘇中標高地におけるロールベール乾草及びラップサイレージの高位生産体系の実証
担当機関 家畜改良センター熊本牧場阿蘇支場
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 阿蘇高原・中標高地の標高500mの採草地4haにおいて、イタリアンライグラスとライ麦の混播及び自生のイヌビエの利用により年間乾物収量約14~20t/haを生産するロールベール乾草及びラップサイレージ生産体系を実証した。
背景・ねらい 阿蘇中標高地(標高約500m)では、夏季の高温及び冬季の低温条件のために、永年生の寒地型及び暖地型牧草を永続的に利用するには過酷であり、それら草地の乾物生産力は、必ずしも高くない。そこで、イタリアンライグラス・ライ麦混播草地の春~夏利用、ならびにその後自生するイヌビエの夏~秋利用によるロールベール乾草及びラップサイレージの高位生産体系の確立について検討する。
成果の内容・特徴
  1. イタリアンライグラス(品種はタチワセ等早生品種)及びライ麦(品種は初春)の混播草地(播種量は各々30kg/ha)を毎年10月に簡易耕起法(デスクハロー工法)により造成する。造成時には、土壌改良資剤として熔燐600kg/ha、炭カル1,000kg/haならびに基肥として3要素(N、P2O5、K2O)で各々56kg/haを施用とする。
  2. 刈取回数は年4回とし、4月上旬、5月下旬、7月中旬、8月下旬~9月上旬にモアコンデショナーで刈取、ロールベール乾草またはラップサイレージに調製する。年間の乾物収量はha当たり約14~20tであり、1~2番草はイタリアンライグラスとライ麦、3~4番草はイタリアンライグラスと自生したイヌビエが収穫できる(表2)。
  3. 追肥は、刈り取り毎に行い、量は各回とも窒素及びカリをha当たり60kg施用する(表1)。なお、早春追肥は早春のイタリアンライグラスの生育に応じて行う。
  4. 2及び3番草は天候を勘案して乾草調製にしむけ、転草を4~6日間わたって7回程度行い、レーキで集草する。1及び4番草はサイレージ調製にしむける(表3)。
  5. 収穫したロールベール乾草及びラップサイレージは、肉用繁殖牛またはその後継牛に給与し、嗜好性は良好である。
成果の活用面・留意点
  1. 阿蘇中標高の自家利用の採草地において適用できる。
  2. 混播草地の造成法はエロージョンの発生を回避するため、簡易耕起法とする。
図表1 220593-1.gif
図表2 220593-2.gif
図表3 220593-3.gif
カテゴリ イタリアンライグラス 寒地 土壌改良 播種 繁殖性改善 品種 ライ麦

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