タイトル |
ブドウ新品種「翠峰」 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
1993~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
極大粒、黄緑色で外観が優れ、しかも食味良好な、比較的早熟性の施設栽培生食用ブドウ「翠峰」を育成した。
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背景・ねらい |
温暖多雨地帯における施設栽培用ブドウ品種として、「巨峰」より高品質で、より大粒の多収性品種の作出が求められている。 このような品種を作出するため、極大粒の紫黒色の「ピオーネ」に大粒の黄白色の欧州種である「センテニアル」を交配し、選抜、育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 樹勢は強く、新梢の伸びは旺盛で、樹冠の広がりは巨峰並である。枝梢の登熟は容易である。テレキ5BB台で中位~著しい台負けがみられる。
- 果房は円筒形である。通常は果房を整形し、350~400gの円筒形果房とする。花振るい性が強く、着粒程度は粗~中である。果房の外観は優れている。
- 果粒は短楕円から長楕円、平均13.7gと極大粒で、巨峰よりやや大きい。果皮色は黄緑で、剥皮性は中~やや難である。肉質は崩壊と塊状の中間、香気は特になく、果汁の糖度は平均16.5%で巨峰並、酸度は0.67で中位で、食味は優れている。
- 果皮は薄い方であるが、裂果は少ない。果実の日持ちは中位である。
- 熟期は育成地で8月下旬~9月上旬であり、巨峰とほぼ同時期である。
- 病害抵抗性はうどんこ病にやや弱いが、他の病害に対しては一般的な欧州系ブドウと比較して強い方である。なお、縮果症等の生理障害の発生は認められない。
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成果の活用面・留意点 |
- 「巨峰」とほぼ同時期に熟する早熟・極大粒で緑色の施設栽培ブドウ品種として普及することが見込まれる。
- 本品種は欧州系ブドウの血が濃厚で米国系ブドウより耐病性に劣るため、施設下での雨を避けた栽培が要求される。施設下ではうどんこ病が発生しやすいので、適切な防除を行う。
- 本品種は花振るい性が強く、果房に無核果の混入が多い。高品質の有核果を栽培するには、長梢剪定とし、剪定は軽く行い、整房を徹底する。
(表1) (表2)
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
うどんこ病
施設栽培
新品種
生理障害
多収性
病害抵抗性
品種
ぶどう
防除
良食味
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