タイトル |
近赤外分光分析法によるヒマワリ子実の脂肪酸組成の簡易、迅速測定 |
担当機関 |
資源作物研 |
研究期間 |
1995~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
近赤外分光分析法によって、ヒマワリ子実の抽出油脂、剥皮した複数粒子実及び剥皮した単粒子実の脂肪酸組成を簡易、迅速に測定できる。
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背景・ねらい |
育種あるいは搾油の現場においては、脂肪酸組成の速やかな分析が望まれているが、通常のガス・クロマトグラフィーによる脂肪酸組成の分析は、多くの時間と手間を要する。このため、近赤外法によるヒマワリ子実の脂肪酸組成の迅速測定法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 抽出油脂はスライドグラスに挟んで、剥皮した複数粒子実は全粒セルに約50グラム充填し広角度回転ドロワー(Bran+Luebbe社)で、剥皮した単粒子実は一粒カップ(Bran+Luebbe社)で、近赤外スペクトルを測定する。
- 複数粒子実は、籾すり機(Cyclo Mill,Kett社)で、単粒子実は内部を傷つけないようにしてナイフを用いて剥皮する。
- 抽出油脂の近赤外2次微分スペクトルでは、脂肪酸残基の吸収の特徴がより強調され、リノール酸含量が増加するにつれ、1720nmの吸収が低波長側に迫り出していく(図1-a)。剥皮したものについても、1716と1724nmとを結ぶ傾きが、負から正へと変化する(図1-b,c)。これらは、リノール酸の方が、オレイン酸・飽和脂肪酸よりも吸収帯が低波長側にあるということに対応している。
- 近赤外2次微分スペクトルの読みとリノール酸含量との間には強い相関が認められる(図2)。
- 測定精度は、抽出油脂、複数粒子実、単粒子実の順に低下する。
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成果の活用面・留意点 |
抽出油脂の測定では、反応による誘導体化の必要がない、単粒子実の測定では、子実が発芽力を保持しているので、計測後も種子として育種、選抜に用いることができる等の利点がある。製油から育種まで、いろいろなレベルで利用可能な簡素化された測定手法である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育種
ひまわり
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