良質多収の水稲糯新品種候補系統「南海糯140号」

タイトル 良質多収の水稲糯新品種候補系統「南海糯140号」
担当機関 宮崎県総合農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 水稲「南海糯140号」は、南海糯112号/関東糯148号(後の「モチミノリ」)の組合せから育成された早生・糯系統で、良質・多収である。宮崎県における中山間地に普及している中生の大粒糯品種「ミヤタマモチ」に替わり普及が予定されている。宮崎県総合農業試験場・作物部・育種科
背景・ねらい 宮崎県の中山間地における糯品種は、中生の「ミヤタマモチ」が普及している。「ミヤタマモチ」は収量性や耐病性に優れるものの玄米千粒重が30g前後あり、籾摺や精米時に篩、ローラーの抵抗を調整する必要があり、出荷・調整時に問題となっている。このため、中山間地に適する早生から中生の糯で、千粒重も一般の糯品種と同等の品種が強く要望されていた。
成果の内容・特徴 「南海糯140号」は、平成2年、宮崎県総合農業試験場で中生・良質の糯系統「南海糯112号」と早生で良食味の糯系統「関東糯148号」を交配した組合せから育成された。本系統の特性は以下のとおりである。
  1. 「ミヤタマモチ」と比較して出穂期と成熟期は2~3日早く、育成地では“早生の晩”の熟期に属す。
  2. 「ミヤタマモチ」と比較して稈長はやや短く、穂長は同程度、穂数は多い。草型は“偏穂重型”で、耐倒伏性は同程度の“強”である。
  3. いもち病真性抵抗性遺伝子を持たず(+)、葉いもちと穂いもちの圃場抵抗性は“やや弱”、白葉枯病抵抗性は“やや弱”、縞葉枯病には“罹病性”である。
  4. 「ミヤタマモチ」と比較して玄米収量はほぼ同程度、玄米千粒重は23g程度と「ミヤタマモチ」より8g程度軽く、一般の糯品種と同程度である。
  5. 「ミヤタマモチ」と比較して玄米の外観品質はほぼ同程度、食味は“上下”、硬化速度は同程度に早く餅質は良好である。
成果の活用面・留意点
  1. 宮崎県北部中山間地域を中心に「ミヤタマモチ」に替えて100haの普及を図る。
  2. いもち病抵抗性は十分でないので、徹底防除に努める。
  3. 白葉枯病抵抗性は“やや弱”なので常発地での栽培は避ける。
図表1 220749-1.gif
カテゴリ 病害虫 育種 いもち病 縞葉枯病 出荷調整 新品種 水稲 中山間地域 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 防除 良食味

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