早生、多収で麦芽品質の優れるビール大麦新品種「ほうしゅん」

タイトル 早生、多収で麦芽品質の優れるビール大麦新品種「ほうしゅん」
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 吉川亮
吉田智彦
吉野稔
古庄雅彦
山口修
水田一枝
馬場孝秀
浜地勇次
発行年度 1998
要約 日本で初めて、半数体育種法により育成されたビール大麦の新品種「ほうしゅん」は、現在栽培されているビール大麦品種のなかで最も早生である。また、大麦縞萎縮病とうどんこ病に抵抗性を持ち、穂発芽性はやや難、多収で麦芽品質は安定して優れる。福岡県で準奨励品種として採用。福岡県農業総合試験場・二条大麦育種指定試験地
背景・ねらい ビール大麦は、水稲との作期の競合が少ないため、土地利用型作物として重要な位置を占めている。しかし、基幹品種である「あまぎ二条」や「アサカゴールド」は、うどんこ病に弱く、凸腹粒等の被害粒の発生による外観品質の低下が大きい。このため、大麦縞萎縮病とうどんこ病に抵抗性を有し醸造品質が極めて優れ、やや晩生の「ミハルゴールド」を育成したが、ビール大麦の作期の拡大と安定生産を図るため、「ミハルゴールド」との組合せが可能な早生で、大麦縞萎縮病とうどんこ病に抵抗性を持ち、被害粒の発生が少なく、麦芽品質の優れた多収品種を育成する。
成果の内容・特徴 本品種は(吉系19/関東二条25号)F1にHordeum bulbosum を交配して作出した半数体から、その染色体を倍加した固定系統より育成された醸造用二条大麦である。「あまぎ二条」と比較して次のような特徴をもつ(表1)。
  1. 出穂期、成熟期はそれぞれ3日、4日早い。
  2. 稈長と穂長は同程度、穂数は多い。
  3. 耐倒伏性はやや強く、穂発芽性はやや難である。
  4. 大麦縞萎縮病([I]型)とうどんこ病にはともに強く、赤かび病は同程度である。
  5. 側面裂皮粒は微程度発生するが、凸腹粒の発生は極微である。
  6. 千粒重は重い。整粒歩合が高く、多収で、検査等級が優れる。
  7. 麦芽エキス、エキス収量、コールバッハ数及びジアスターゼ力が特に優れ、総合評点が高く、麦芽品質が非常に優れる。
成果の活用面・留意点
  1. 適地は温暖地以西の平坦地であり、早生のビール大麦品種として普及を図る。
  2. 早播きは側面裂皮粒の発生を助長するので、適期播種に努める。
  3. 穀皮が薄いので、剥皮を生じないよう脱穀調製に十分注意する。
図表1 220753-1.gif
カテゴリ アスター 育種 萎縮病 うどんこ病 大麦 新品種 水稲 抵抗性 播種 品種

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