イグサ―水稲連作田における堆肥施用と深耕によるイグサの品質向上

タイトル イグサ―水稲連作田における堆肥施用と深耕によるイグサの品質向上
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 イグサ―水稲の連作田において、イグサ植付前におがくず入り牛糞堆肥を10a当たり2t施用すると2年目からは作土中の腐植含量が高くなるため増収し、品質が向上する。同時に深耕を行うとイグサの下層根が多く、また、部分変色茎が減少する。
背景・ねらい 近年、長年の連作によるイグサの収量低下、老熟に伴う部分変色茎の発生率の増加が問題となっている。その原因は長年の化学肥料の多量施用や有機物不足による地力低下、土壌理化学性の悪化が考えられる。そこで、イグサ―水稲体系連作田において、おがくず入り牛糞堆肥の施用と深耕を組み合わせたイグサの品質向上技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. おがくず入り牛糞堆肥(水分:57.5%,N:0.58%,C/N比:21)を10a当たり2t施用すると、処理2年目から作土中の腐植含量が増加するため増収する。また、部分変色茎の発生は処理1、2年目ともに少なくなり、品質が向上する(表1)。
  2. 堆肥を10a当たり5t施用すると処理1年目から作土中の腐植含量が増加する。しかし、1年目は土壌還元、2年目は初期生育過剰のために部分変色茎の発生が多くなり、品質が低下する(表1、表2)。
  3. 堆肥施用と同時に耕起深15cmの深耕を行うと、2年目からは地力が向上し、下層根量が多く生育良好となる。また、部分変色茎の発生は堆肥施用量と耕起深の間に交互作用があり、堆肥施用量を5tにすると著しく多くなるが、2tにすると普通耕(耕起深9cm)に比べて少なくなる(表1、表2、表3)。
成果の活用面・留意点
  1. イグサ栽培指導資料として活用する。
  2. イグサ―水稲体系の連作で減収や部分変色茎が多発する圃場に適用する。
  3. 透水不良田で作土直下にグライ層がみられる圃場では適用しない。
  4. 深耕3年目以降の基肥施用量は化学窒素肥料に対する牛糞堆肥の肥効率25%を考慮して減らす。(参照「有機質資材等の利用上の手引」福岡県農政部)
図表1 220757-1.gif
図表2 220757-2.gif
図表3 220757-3.gif
カテゴリ 土づくり 肥料 いぐさ 水稲

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