水稲の湛水直播栽培におけるカルパー粉衣籾の温度別保存可能期間

タイトル 水稲の湛水直播栽培におけるカルパー粉衣籾の温度別保存可能期間
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
背景・ねらい 水稲の湛水土中直播栽培では、出芽苗立を良好にするため、カルパーを種籾に粉衣する作業が不可欠で、粉衣作業は播種前日~前々日に行われている。そのため、他の作業との作業競合がおきており、カルパー籾の保存方法が検討されてきた。しかし、保存場所として有望視されている、農協の低温倉庫の設定温度摂氏15度は検討されていない。そこで10kg程度のカルパー籾を1梱包で保存し、貯蔵中の幼芽伸長、土中発芽率を明らかにし、摂氏15度で貯蔵したカルパー籾の保存可能期間を検討する。また、あわせて摂氏10度貯蔵におけるカルパー籾の保存可能期間も検討する。
成果の内容・特徴
  1. 摂氏15度では保存期間が7日を越えると種籾は幼芽伸長する。14日では伸長した幼芽が機械播種中に損傷し、28日では幼芽の伸長がさらに進み、播種機の中で幼芽が絡み合い詰まるため、作業に支障をきたす(表1)。
  2. 摂氏15度で7日間保存した粉衣籾は播種7日後の土中出芽率が88%確保される(表1)。
  3. 摂氏10度では、28日間保存しても幼芽の伸長はみられない。28日間保存したカルパー籾の手播きによる土中の出芽率は、1日保存と比べると7%程度の低下はみられるが、80%程度は確保される(表1)。機械播種においても、保存期間による出芽率に差はない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 水稲栽培技術指針に登載し、普及指導上の参考資料として活用する。
  2. 催芽は鳩胸前とし、カルパーを2倍量粉衣後、半白乾状態まで風乾させ密封する。
  3. 摂氏10度で1ヶ月程度保存したカルパー籾を使用する場合、播種量は1割程度増やす。
  4. 常温では幼芽の伸長が大きく、機械播種に支障をきたすので、粉衣後1~2日以内に播種する(表1)。
図表1 220761-1.gif
図表2 220761-2.gif
カテゴリ 栽培技術 直播栽培 水稲 播種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる