タイトル |
スクミリンゴガイ発生田での水稲の湛水土中直播栽培における被害軽減と雑草防除 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
スクミリンゴガイ発生田において水稲の湛水土中直播栽培を実施する場合、播種後3日間の湛水期間を経た後の水稲3葉期までの潤土管理により食害が軽減されるとともに、除草剤を2回散布することにより、効果的な雑草防除が可能となる。
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背景・ねらい |
スクミリンゴガイの発生している水田で湛水直播栽培を行うと、出芽直後から水稲が食害されるため被害は甚大となる。スクミリンゴガイの被害を軽減するためには、播種後の一定期間を潤土管理(田面に亀裂が入らない程度の湿潤状態を保つ)する方法が有効である(平成9年度成果情報)。しかし、その反面、潤土管理を行うと雑草の発生が多くなるなどの問題点を、コンテナ試験など小区画試験で明らかにしてきた。そこで、実規模のスクミリンゴガイ発生田において、被害軽減並びに雑草防除に有効な体系化技術を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 播種後3日間の湛水期間を経たのち、水稲の出芽直前に落水し、その後水稲3葉期まで潤土管理を行うことによってスクミリンゴガイによる被害は軽減される。溝切り時期が遅れると、多雨条件下では被害が甚大となる場合があるが、早期溝切りを行うことで、圃場内の停滞水や降雨は排水され、スクミリンゴガイによる被害は軽減される(表1)。
- スクミリンゴガイの被害軽減のため、潤土管理を前提とした場合、1回目の除草剤として、播種直後に湛水して初期剤を散布し、2回目の除草剤として、水稲3葉期入水後に初中期一発剤を散布する除草体系が効果的である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- スクミリンゴガイ発生田における湛水直播栽培の指導資料として活用する。
- 出芽期頃に多量の降雨に遭遇すると、食害を受ける恐れがあるため、溝切りは水稲の出芽前に出来るだけ早く実施する必要がある。
- 落水後、停滞水のある個所には殺貝剤をスポット処理する。
- 潤土管理期間中に田面に亀裂が入りすぎると、水稲3葉期入水後の減水深が大きくなり、除草効果が低下するので、乾きすぎる場合には走り水をする必要がある。
- 本技術は湛水土中直播に適用し、湛水表面散播には適用できない(雀害のため)。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
直播栽培
除草
除草剤
水田
水稲
スクミリンゴガイ
播種
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