スーダングラス生草及びサイレージ中の硝酸態窒素含量の簡易測定法

タイトル スーダングラス生草及びサイレージ中の硝酸態窒素含量の簡易測定法
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 井上信明
大石登志雄
棟加登きみ子
藤吉弘子
梅田剛利
発行年度 1998
要約 スーダングラス中の硝酸態窒素含量は、生草及びサイレージを乾燥粉砕することにより小型反射式光度計で高い精度で推定できる。抽出は蒸留水添加・20分振とう法とし、測定値を硝酸態窒素に換算後、Y=0.834X+0.010の回帰式により推定する。福岡県農業総合試験場・畜産研究所・飼料部・家畜栄養研究室
背景・ねらい 家畜の硝酸塩中毒を回避するため、現場で迅速、簡易に測定できる硝酸態窒素含量の測定法が求められている。生産現場において生草やサイレージ中に含まれる硝酸態窒素含量が測定できれば、その後の調製や給与を的確に行うことができる。スーダングラス生草及びサイレージについて、普及センター等で簡易測定器である小型反射式光度計を用いて硝酸態窒素含量が測定できる技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 硝酸態窒素含量の簡易測定は、摂氏60度で48時間乾燥し、ウィレー粉砕器で1mmのメッシュを通したサンプル1gに蒸留水50mlを加え20分間振とう機で振とう後、ろ過抽出液に測定用試験紙を浸し、1分後に小型反射式光度計で測定を行う(図1)。
  2. サンプルの乾燥は、試料50gを平皿に入れ、電子レンジ(500w)の出力を強で5~6分乾燥し、その後試料を反転し、さらに5~6分乾燥させることで代用できる。粉砕は、市販のコーヒーミルで代用できる。(図1)。
  3. 硝酸態窒素含量測定の公定法である高速液体クロマトグラフ(HPLC)と小型反射式光度計による硝酸態窒素測定値の相関は生草がr=0.9864、サイレージはr=0.9801、生草+サイレージではr=0.9896である(表1、表2)。
  4. 小型反射式光度計での測定値を硝酸態窒素に換算後、生草並びにサイレージのいずれもがY=0.834X+0.010の回帰式によりHPLCによる公定法の値を推定できる(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 小型反射式光度計で表示される値は硝酸イオンで表示されるため、硝酸態窒素値に換算する。(表示値*0.2257=硝酸態窒素)
  2. 乾燥粉砕サンプルを多めに調製(約50g)し、測定値がかたよらないようにサンプリングを考慮する必要がある。
  3. 電子レンジによる乾燥処理は、試料の状態により発火することがあるので、観察しながら処理する必要がある。
  4. 他の草種について検討する必要がある。
図表1 220802-1.gif
図表2 220802-2.gif
図表3 220802-3.gif
図表4 220802-4.gif
カテゴリ 簡易測定 乾燥

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