パンゴラグラスの新奨励品種「トランスバーラ」の生産量と栄養特性

タイトル パンゴラグラスの新奨励品種「トランスバーラ」の生産量と栄養特性
担当機関 沖縄県畜産試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 嘉陽稔
庄子一成
川本康博
発行年度 1998
要約 「トランスバーラ」は、草高30cm、60cm刈りともに可消化乾物収量および粗タンパク質収量が他の草種よりも多いので、放牧用および採草用として利用可能な高品質新導入品種である。沖縄県畜産試験場・飼料室
背景・ねらい パンゴラグラス(Digitaria decumbens)は、密な草地を作り、強いストロンを持つ夏期生育型の永年草で土壌適応性は広く、暖地型牧草の中では嗜好性も良いことから、沖縄県の八重山地域を中心に放牧用・採草用として広く栽培(主に品種:A24)されている草種である。しかし最近のロールベールラップサイレージの普及により、収量が多く栄養価の優れたパンゴラグラスの新品種の選定が必要である。パンゴラグラスの中でも「トランスバーラ」は、乾物収量・CGR(乾物生産速度)ともに優れていることが明らかとなりつつある。そこで、今回新しく導入したDigitaria decumbens(品種:トランスバーラ)、Digitaria smutsii(品種:プレミア)、Digitaria milanjiana(品種:ジャーラ)の3草種を用いて生育と栄養特性について、放牧用と採草用を想定して刈り取り時草高を2段階設けて調査を行った。
成果の内容・特徴
  1. 3年間の乾物収量は、両刈り取りともにトランスバーラが最も多く、60cm刈りの2年目で最大327kg/aである(図1、図2)。
  2. 可消化乾物収量は、両刈り取りともにトランスバーラが多く、最大収量は2年目の60cm刈りで205kg/aである(表1)。
  3. 粗タンパク質収量は、トランスバーラが両刈り取りともに他の品種よりも多い(表1)。
  4. トランスバーラの乾物消化率は、刈り取り時期にかかわらずジャーラに次ぐ高い値を示す(図3、図4)。
成果の活用面・留意点
  1. トランスバーラは、茎が細く倒伏しやすいので採草利用する場合には、早めの刈り取りを行うのが望ましい。
  2. トランスバーラの植え付けは栄養体で行う。苗は八重山家畜保健衛生所の種苗圃から入手できる。
  3. トランスバーラを平成10年度に沖縄県の奨励品種とした。
図表1 220810-1.gif
図表2 220810-2.gif
図表3 220810-3.gif
図表4 220810-4.gif
図表5 220810-5.gif
カテゴリ 新品種 品種

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