フリーストール方式の酪農経営における飼養管理労働時間と収益性

タイトル フリーストール方式の酪農経営における飼養管理労働時間と収益性
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 磯崎良寛
柿原孝彦
原田美奈子
古賀康弘
発行年度 1998
要約 フリーストール方式の酪農経営において、ミルキングパーラーの規模が4~8頭複列の場合、労働力1人当たりの経産牛頭数が35頭以上では年間の飼養管理労働時間は2,000時間程度となって、年間の延べ労働時間が繋ぎ方式より長くなり、管理労働1時間当たりの差益(乳代-購入飼料費)の増加が規模の拡大率以下となる場合がある。
背景・ねらい 酪農経営においては乳価の低迷や後継者難に対する方策として、フリーストール方式の導入により規模拡大を進めるとともに労働環境を改善しようとする経営が増加している。しかし、労働力に応じた適正規模および収益性等に関しての経営技術指標は確立されていない。そこで、県内のフリーストール方式の経営実態を調査し、飼養規模別の労働時間および収益性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ミルキングパーラーの規模が4~8頭複列の場合、飼養管理に係る1日の総労働時間は8時間から19時間で、経産牛頭数規模が拡大するに従って直線的に増加しており、搾乳時間の長短が1日の総労働時間に大きく影響している(表1、図1)。また、労働力1人当たりの経産牛頭数が35頭未満の経営では、年間の飼養管理労働時間は1,600時間以下であるが、35頭を超える経営では2,000時間程度となっている(表1、図2)。
  2. フリーストール方式では多頭化により購入飼料の依存が強まり、経産牛1頭当たりの差益(乳代-購入飼料費)は、繋ぎ飼い方式の県内優良経営(以下、繋ぎ経営)に比べて少ない。しかし、経産牛1頭当たりの労働時間の短縮により、投下労働1時間当たりの差益は2~3倍となっている(表2)。
  3. フリーストール方式において労働力が3~4人で経産牛120~150頭規模の場合、多頭化が進んだ結果、年間の延べ労働時間は繋ぎ経営より長くなり、管理労働1時間当たりの差益の増加が規模の拡大率以下となる場合がある(表1、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. フリーストール方式の導入に当たって、経営内労働力に応じた飼養規模および作業体系を検討する場合の資料として活用できる。
図表1 220813-1.gif
図表2 220813-2.gif
図表3 220813-3.gif
図表4 220813-4.gif
カテゴリ 規模拡大 経営管理 飼育技術 乳牛

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