フリーストール1群管理方式における個体毎の乾物摂取及びTDN摂取の動向

タイトル フリーストール1群管理方式における個体毎の乾物摂取及びTDN摂取の動向
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 柿原孝彦
磯崎良寛
原田美奈子
古賀康弘
発行年度 1998
要約 フリーストール方式において、TMR自由採食方式で1群飼養管理する場合、個体毎の乾物摂取量は脂肪補正乳量の増加に対応して増加するが、反対にTDNの充足率は低下する。初産牛は乾物摂取量が少ないため、2産目以降牛よりTDN充足率が低下す る。2産以降で乳量20kg程度の牛はTDNが過剰になりやすい。
背景・ねらい フリーストール方式ではTMR(混合飼料)給与による群飼養管理となるが、管理作業を省力化するため、泌乳牛を1群で飼養管理する農家が多い。産次や泌乳ステージの違う個体を1種類のTMRだけで管理する事は栄養管理上問題を生じる危険性も高い。しかし、農家のフリーストール方式では繋ぎ方式のように個体の飼料摂取状況が把握できない。このため、当場内においてTDN72~73%、CP14.5~15.5%、DM60%のTMR(乳量35~40kgの牛が栄養を充足できるとされている濃度)給与による1群管理で分娩後35日以降の個体毎飼料摂取状況を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 乾物摂取量(以下DMI)は脂肪補正乳量(=0.4×乳量+15×乳脂量、以下FCM)との相関が高く、初産牛は2産目以降牛よりDMIが少ない(図1)。しかし、DMIを代謝体重(=体重0.75)当たりに直すとその差はほとんどなくなる(図2)。
  2. TDN充足率(=日本飼養標準TDN要求量に対する充足率)はFCMに対して負の相関を示し、FCMが増加するほど低くなり、減少するほど高くなる傾向にある。初産牛はDMIが少ないために2産目以降牛よりTDN充足率が低下しやすい。また、2産以降で乳量20kg程度の牛はTDNが過剰な個体が多い(図3)。
  3. 体重の増減は個体差が大きいが、TDNの摂取状況を反映して充足率が高い個体は体重が増加し、低い個体は減少する傾向にある(図4)。
  4. フリーストール方式におけるDMIを推測するため、FCM、代謝体重、産次、分娩後日数を説明変数として重回帰分析を行った。FCMと代謝体重を説明変数とする有意(1%)な重回帰式を得た。寄与率は0.59で推定値の標準誤差は2.23である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. フリーストール方式における群の給与管理やTMR設計の際の参考として活用する。
  2. 当調査は試験牛に対して飽食管理し、飼糟の幅及び数には十分に余裕を持たせた。
図表1 220814-1.gif
図表2 220814-2.gif
図表3 220814-3.gif
図表4 220814-4.gif
図表5 220814-5.gif
カテゴリ 飼育技術 省力化 乳牛

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる