交雑種去勢牛における混合飼料中の酸性デタージェント繊維増給による肉質向上

タイトル 交雑種去勢牛における混合飼料中の酸性デタージェント繊維増給による肉質向上
担当機関 福岡県農業総合試験場畜産研究所
研究期間 1997~1998
研究担当者 古賀鉄也
徳満茂
平嶋善典
発行年度 1998
要約 交雑種去勢牛において、肥育前・中期に酸性デタージェント繊維含量の高い混合飼料を給与すると、脂肪交雑、肉の色沢、肉のきめ及び締まりが改善され、枝肉の上位格付率は向上する。福岡県農業総合試験場畜産研究所・大家畜部・肉用牛研究室
背景・ねらい 交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)去勢牛は、肥育牛として優れた資質を持っており、本県の基幹的肥育牛のひとつとして期待されている。肥育農家では肉質を向上させるために、高エネルギー飼料を給与する場合が多く、肥育ステージ毎の摂取栄養・繊維の過不足等により、第1胃機能不全等の肥育障害を引き起こし、十分な肥育成績を上げていない。そこで、給与混合飼料中の物理的、栄養的繊維成分としての酸性デタージェント繊維(ADF)含量が増体及び肉質等の肥育成績に及ぼす影響を検討し、交雑種去勢牛の高品質牛肉安定生産技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 給与混合飼料中のADFを肥育前期16%、中期13%、後期12%程度に設定すると、延乾物摂取量、ADF摂取量は多くなるが、各肥育期の日増体量および25ヶ月齢出荷時の体重に大きな差はない(表1)。
  2. 枝肉重量、ばらの厚さ、皮下脂肪の厚さ等の量的形質では、ADF摂取量による差は見られないが、脂肪交雑、肉色、肉締まり等の質的形質は肥育前・中期ADF摂取量が増えた方が優れ、枝肉格付け"4等級"以上の出現割合は向上する(表2)。
  3. ADF含量を増やすと、ロース芯の水分含量は低く、粗脂肪含量は高くなる。また、画像解析の脂肪割合、形状係数等が大きくなり、脂肪交雑評価が向上する(表3)。
  4. 肥育前・中期のADF含量が増えると、胃壁が繊維で刺激され、第1・2・3胃が充実し、第1胃の色調(Lab値)も高くなり、反芻胃は健全に発育する(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 県産銘柄牛"福岡牛"の肉質向上技術として活用する。
  2. 飼料の切り替えには 4週間かけて馴致する。
図表1 220825-1.gif
図表2 220825-2.gif
図表3 220825-3.gif
図表4 220825-4.gif
カテゴリ 出荷調整 肉牛 ばら

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる