黒毛和種子牛における簡易な観血去勢法の効果

タイトル 黒毛和種子牛における簡易な観血去勢法の効果
担当機関 沖縄県畜産試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1998
要約 3から4ヵ月齢の黒毛和種雄子牛へ簡易な観血去勢法を実施すると、無血去勢法に比べ乾物摂取量および増体量が優れる。沖縄県畜産試験場・大家畜室
背景・ねらい 子牛の去勢法として無血去勢法と観血去勢法が知られているが、無血去勢法は去勢の所要時間が短く、処置も容易であるため一般的に実施されている。しかし、確実性に欠ける点や去勢による陰のうの腫れが治癒するまでの期間が長く、それに伴う飼料摂取量及び増体への影響が生じる等の問題がある。そこで今回、去勢法の違いによる黒毛和種子牛の発育に及ぼす影響について検討する。
成果の内容・特徴 平均113日齢の黒毛和種雄子牛10頭を起立状態で保定し、去勢を実施した。そのうち、無血去勢をした5頭を無血区とし、観血去勢をした5頭を観血区とした。今回実施した観血去勢法は、陰のう底部を剪定鋏で横に切開し、精巣の血管を結紮せずに精巣を除去する方法である。試験期間は、去勢7日前から1日前及び去勢日から去勢後13日目までの2期とし、飼料摂取量、増体性について比較した。
  1. 観血区は、去勢後の乾物摂取量が去勢前より5.6%増加したが、無血区の3.9%より1.7%増加割合が高い(図1)。
  2. 観血区は、去勢後のDGが去勢前より13.0%増加したが、無血区では17.2%減少している(図2)。
これらのことから、黒毛和種雄子牛における去勢後の乾物摂取量及びDGの向上には、簡易な観血去勢法は有効な手段であることが考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 観血去勢法は、去勢による子牛へのストレスが低減でき、乾物摂取量および増体量が向上する。
  2. 観血去勢法を実施する場合、去勢後一週間は牛床を清潔にし、衛生管理に留意する必要がある。
  3. 観血去勢法は、自家所有牛以外は獣医師でなければ行えない。
図表1 220829-1.gif
図表2 220829-2.gif
図表3 220829-3.gif
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