搾乳牛へのビタミンE給与が牛乳生産へ及ぼす影響

タイトル 搾乳牛へのビタミンE給与が牛乳生産へ及ぼす影響
担当機関 沖縄県畜産試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 玉城政信
清水隆司
石垣勇
石田修三
早澤宏紀
島袋宏俊
発行年度 1998
要約 泌乳牛にα-トコフェロール酢酸製剤を給与することにより血液中のビタミンE濃度が高まり、牛乳中に含まれるビタミンE量が通常の6~8倍のビタミンE高含有牛乳を生産できる。沖縄県畜産試験場・大家畜室
背景・ねらい ビタミンEは生体内で抗酸化活性、生体膜安定化作用および免疫賦活作用等の働きがあげられ生活習慣病の発症防止と密接に関っている。これらのことと最近の消費者の健康志向食品摂取の動向に合わせα-トコフェロール(VE)高含有の付加価値の高い牛乳を生産するため、α-トコフェロール酢酸(VEA)を搾乳牛に給与し、VEA給与量と牛血清脂質VE濃度及び乳脂肪中VE濃度との関係について検討する。
成果の内容・特徴 乳量が23~28kgのホルスタイン種搾乳牛6頭を用い、3頭はVEAを50%含む製剤400gを30日間慣行飼料に添加給与、その後200gを31日から70日目まで給与し、71日から90日目まで無給与の給与区とし、残り3頭は製剤を給与しない対照区として比較した。
  1. 給与区は血清脂質中のVE濃度が上昇し、VEA製剤給与の効果と考えられる。VE濃度の上昇は200g給与の60日目まで続く(表1)。
  2. 試験開始前の乳脂肪1g当たりのVE濃度は、給与区および対照区ともほぼ同じ値であるが、給与区は10日目に155μg/gと著しく上昇し、その後も上昇し20日、30日目で183および179μg/gに達する。200g給与では、180μg/gの維持はできず130μg/g程度で推移する。VEA製剤を無給与にすると顕著に低下する(表2)。
  3. 1日当たりの泌乳中のVE量は、VEA製剤を400g給与する20日目で給与前の約8倍の197mgと著しく上昇し、200g給与では140mg前後である(表2)。
これらのことから、泌乳牛にVEA製剤を給与することにより血液中のVE濃度が高まり、牛乳中に含まれるVE量を6~8倍に増加できる。
成果の活用面・留意点
  1. 高付加価値牛乳生産技術として活用ができる。
  2. 集乳方法などの課題が残る。
図表1 220837-1.gif
図表2 220837-2.gif
カテゴリ 高付加価値 乳牛

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる