組織培養で増殖した「ヒリュウ」の畑土壌を使った簡易挿木法

タイトル 組織培養で増殖した「ヒリュウ」の畑土壌を使った簡易挿木法
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 能塚一徳
鶴丈和
発行年度 1998
要約 組織培養で増殖した「ヒリュウ」は、多芽体をBA0.3ppmのMT培地に 継代し、約10mm以上になったシュートをIBAの粉末で塗布処理し、滅菌した畑土壌に直接挿木すると活着、生育が良い。福岡県農業総合試験場・果樹苗木分場・無病苗育成研究室
背景・ねらい カラタチの1系統でわい化効果の高い「ヒリュウ」は、台木に用いると果実品質も向上することから近年注目を集めている。しかし、「ヒリュウ」を実生で育成すると変異個体の出現率が高いという問題がある。そこで、均一で優れた台木を効率的に増殖するために、組織培養を用いた簡易な挿木法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 多芽体をBA濃度が0.3ppmの培地に継代すると、挿木に適した10mm以上のシュートが多く得られる(表1)。
  2. 挿穂として用いるシュートが長いほど根の数が多く、伸長も良い(表2)。
  3. 発根促進のためのIBA処理効果は、150ppm水溶液剤と1%粉剤処理との間で差がないので、作業が容易な1%の粉剤の塗布処理がよい(表3)。
  4. 滅菌処理した水田土壌、畑土壌ともに発根率が高く根数も多く、根の伸長はUCソイルよりもやや劣るものの実用的な問題はない(表4)。しかし、水田土壌の方が保水力が強く移植作業が困難になる(データ略)。
  5. 挿木床での活着率はUCソイルと畑土壌に差はないが(表5)、活着後の生育は畑土壌の方が良い(データ略)。
  6. 川砂、バーミキュライト、パーライトでは発根率は高いが根の伸長が悪い(データ略)。
成果の活用面・留意点
  1. 保温設備のあるハウスでは挿木を周年行うことができるが、ない場合は生育に適した温度と年内の生育量を確保するため、4~6月位までに挿木を完了することが望ましい。
  2. 挿木終了後は直ちにビニルフィルムで保湿し、高温を避けるために寒冷紗等で遮光する。
  3. 活着後はビニルフィルムを徐々に除去して順化後に肥培管理する。
図表1 220852-1.gif
図表2 220852-2.gif
図表3 220852-3.gif
図表4 220852-4.gif
図表5 220852-5.gif
カテゴリ 水田 台木 肥培管理 わい化

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