施設ビワ多収園の樹体及び土壌の特性

タイトル 施設ビワ多収園の樹体及び土壌の特性
担当機関 長崎県果樹試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 宮路崇生
高見寿隆
今村俊清
藤山正史
林田至人
発行年度 1998
要約 施設ビワの10a当たり1.5t以上の多収園は、10a当たりの葉面積が約2500平方メートル、圃場面積1平方メートル当たりの葉数が450枚程度、樹冠占有率が80%以上である。また、有機物を10a当たり3t以上施用してあり、土壌の気相率が30%以上、土壌pHが6.0以上である。
背景・ねらい 長崎県における施設ビワの収量は、地域や園による差が大きく、10a当たりの平均収量が800kg程度と低いことが問題となっており、施設ビワ栽培の経営安定のためには、多収生産技術を確立することが重要である。そこで、10a当たり収量1.5t以上を生産している現地の施設ビワの樹体特性や土壌の実態を明らかにし、10a当たり収量1.5t以上を目標にした多収生産技術マニュアルの作成に資する。
成果の内容・特徴
  1. 10a当たり収量と最も相関が高い収量構成要因は、10a当たり葉面積(r=0.765)(図1)で、次いで1平方メートル当たり着葉数(r=0.703)(図2)、圃場面積当たり樹冠占有面積(r=0.613)である。なお、10a当たり1.5t以上の多収園は、葉面積が約2500平方メートル、圃場面積1平方メートル当たりの葉数が450枚程度、樹冠占有率が80%以上である。
  2. 樹形別に、樹冠容積当たり葉数及び葉面積を、多収園と普通園で比較した場合、1段盃状形では多収園が高い値になるが、2段盃状形は普通園が高い値になる(表1)。
  3. 収量が10a当たり1.5t以上の多収園の土壌は、気相率が30%以上と高く、液相率、固相率が低く、また、土壌pH(KCl)も 6.0以上と高い。また、有機物施用量は10a当たり3t以上で、表層の細根量も多い(表2)。
  4. 施設ビワの10a当たり収量を向上させるためには、10a当たり葉面積、葉数を多く確保し、樹冠占有率を高める誘引等の枝管理が重要である。
  5. 土壌管理面では、有機物の施用や中耕などにより土壌を膨軟にし、排水対策の実施による気相率向上や、また、土壌pH矯正のため石灰質資材の投入等の土壌改良対策が重要である。
成果の活用面・留意点
  1. 2段盃状形等の立体的な樹形では、枝・葉が過繁茂な状態になると、結果層の受光態勢が悪くなり果実生産は劣る。
  2. 中耕は、根の伸長時期との関連もあるので、できるだけ根に影響の少ない時期に実施する。
図表1 220878-1.gif
図表2 220878-2.gif
図表3 220878-3.gif
図表4 220878-4.gif
カテゴリ 経営管理 土壌改良 びわ

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