ブドウ、ナシ、モモの休眠打破技術

タイトル ブドウ、ナシ、モモの休眠打破技術
担当機関 宮崎県総合農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 西元直行
木崎賢哉
佐野憲二
熊本修
坂口徳光
森田昭
林田誠剛
中尾茂夫
広瀬正純
加来靖英
下郡嘉勝
佐藤吉史
下田透
大崎伸一
北村光康
益田信篤
発行年度 1998
要約 休眠打破剤として、ブドウ、ナシではシアナミド、及び石灰窒素が、モモでは葉面散布剤の一種が有効であり、その使用適期は、摂氏7.2度以下の低温に、ブドウは 200~400時間、ナシは600~700時間、モモは600時間遭遇した時点である。鹿児島県果樹試験場・北薩支場、長崎県果樹試験場・落葉果樹科、大分県農業技術センター・果樹部、宮崎県総合農業試験場・果樹特産部、熊本県農業研究センター・果樹研究所・落葉果樹部
背景・ねらい 暖地の落葉果樹では、年により秋冬季の低温の不足が休眠が完了しない原因となり、発芽・開花の不ぞろいや、開花遅延等の問題が生じており、特に、近年は暖冬により、これらの問題が深刻化している。そこで、休眠打破技術及び開花調節技術を確立し、気象変動による影響を軽減し、早期出荷における生産安定に資する。
成果の内容・特徴
  1. ブドウの休眠打破剤として、自発休眠完了以前に最も効果のある剤は、シアナミド(ハツガ-Z)5~15倍液、及び石灰窒素20%上澄液であり、その処理時期は、摂氏7.2度以下の低温に200~400時間遭遇した時点である(図1)。
  2. ニホンナシの休眠打破剤として、自発休眠完了以前に効果のある剤は、石灰窒素20%上澄液、及びシアナミド(ハツガ-Z)15倍液であり、その処理時期は、摂氏7.2度以下の低温に600~700時間遭遇した時点である(表1)。
  3. モモの休眠打破剤として、自発休眠完了以前に効果のある剤は、葉面散布剤の一種(スーパークロロゲン青)2~4倍液であり、その処理時期は、摂氏7.2度以下の低温に、600時間遭遇した時点である。次いで効果がみられたのは、シアナミド(ハツガ-Z)15倍液であり、その処理時期は、摂氏7.2度以下の低温に、800時間遭遇した時点である(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 早期出荷、または暖冬年の生産安定のための開花調節技術として活用する。
  2. 処理方法は塗布であるが、モモの葉面散布剤の一種(スーパークロロゲン青)は散布処理でも効果がある。
  3. モモでは、葉面散布剤の一種(スーパークロロゲン青)と石灰硫黄合剤を混用すると、有毒なガスが発生する恐れがあるので注意する。
  4. モモに対してシアナミド(ハツガ-Z)を高濃度(10倍以下)で使用した場合に、花芽枯死の薬害が確認されたので注意する。
図表1 220884-1.gif
図表2 220884-2.gif
図表3 220884-3.gif
カテゴリ 出荷調整 ぶどう もも

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