ナシ「幸水」及びモモ「日川白鳳」に対する基肥と春肥の施用時期の違いによる窒素の吸収状況

タイトル ナシ「幸水」及びモモ「日川白鳳」に対する基肥と春肥の施用時期の違いによる窒素の吸収状況
担当機関 長崎県果樹試験場
研究期間 1997~1999
研究担当者 宮路崇生
林田至人
藤山正史
発行年度 1998
要約 ナシ「幸水」及びモモ「日川白鳳」に対する施用時期別にみた各器官中の施肥窒素の吸収割合は、基肥では、地上部は10月中旬施用が高く、地下部は11月上旬施用が高い。春肥では、地上、地下部ともに3月中旬施用で高い傾向を示すが、2月下旬施用区との差は小さい。長崎県果樹試験場・施肥改善科
背景・ねらい 暖地のナシ及びモモ栽培では、基肥施用時期は11月であるが、この時期は地温も低く樹体も休眠期にはいるため、樹体の貯蔵養分としてどの程度利用されているか不明である。また、春肥では施用時期や施用量を誤ると過繁茂の原因となり、果実の肥大や品質に悪影響を及ぼす。そこで、温暖な気候に適した施肥時期を明らかにするため、重窒素硫安(7.OAtom%)を用いて基肥及び春肥の施用時期と窒素の吸収状況との関連について検討する。基肥の施用は、10月中旬から11月上旬にかけて旬別に行い、春肥期の2月に掘り上げて重窒素を分析した。春肥の施用は、2月下旬から3月上旬に行い、新しょうの伸長及び根郡の第1次伸長がピークとなる6月上旬に掘り上げ、重窒素を分析した。
成果の内容・特徴
  1. 基肥時期に施用した重窒素が、翌年2月の各器官中の窒素に対する吸収割合は、ナシ「幸水」では、10月、中旬施用で高く、11月上旬施用では細根を除く各器官とも明らかに低い(表1)。モモ「日川召鳳」では、地上部では10月中旬施用が高く、地下部では11月中旬施用が高い(表2)。
  2. 春肥時期での重窒素吸収割合は、ナシ「幸水」では、3月中旬施用で高いが、3月上旬施用との差はほとんどなく、2月下旬施用との差も小さい(表3)。モモ「日川白鳳」では地上部、地下部ともに3月中旬施用で高い傾向を示すが、他の施用時期との差は小さい(表4)。
  3. 以上のことから、現行の基肥時期は肥効率が低く、基肥時期を現行より早くすれば肥効率を高めることができると思われる。春肥は2月下旬~3月中旬施肥での肥効に大きな差がないことから、枝葉の繁茂を抑え果実の方へ養分を早く移行させることを考えると、2月下旬施用が適当と思われる。
成果の活用面・留意点
  1. 収穫後の礼肥の効果について検討が必要である。
  2. ここで得られたデータをもとに圃場試験を行い、樹体の生育及び果実の収量、品質について調査する。
図表1 220891-1.gif
図表2 220891-2.gif
図表3 220891-3.gif
図表4 220891-4.gif
カテゴリ 肥料 施肥 もも

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