大果系キュウリ品種「Nevada」、「KU-369」の特性と省力効果

タイトル 大果系キュウリ品種「Nevada」、「KU-369」の特性と省力効果
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 月時和隆
山本幸彦
満田幸恵
発行年度 1998
要約 大果系キュウリ品種「Nevada」、「KU-369」は、本県の主要品種より収量が多く、主要品種に近い歯切れ感を持つ。これらの品種を利用すると、収穫果数が約半分であるために、収穫・調製・出荷作業の省力化が図られる。福岡県農業総合試験場・園芸研究所・野菜花き部・野菜栽培研究室
背景・ねらい 近年低迷しているキュウリの消費の拡大を図るためには、新しい需要の創出が求められている。また、生産面では、全労働時間の約半分を占める収穫・調製作業の省力化を図る必要があり、これらの課題を解決する一つの方法として、現在のキュウリ品種の一部に替わる大果系キュウリの導入が効果的であると考えられる。そこで、国内外から収集した品種の中から、収量が多く、果実の歯切れ感が現在の国内の主要品種に近い大果系品種を選定するとともに、省力効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 供試した24品種の中から、収量性、歯切れ感を重視して大果系品種「Nevada」、「KU-369」を選定した。
  2. 「Nevada」、「KU-369」は、本県の主要品種に比べて草勢が強く、葉が大きい。主要品種の雌花着生率が低下する高温長日期においても「Nevada」はほとんどの節に雌花が着生し、また「KU-369」は雌花着生率が高い(データ略)。「Nevada」にはイボがなく、「KU-369」にはわずかに見られる。両品種とも果色は淡い(データ略)。
  3. 促成栽培で「Nevada」は、主要品種「シャープ[I]」よりも高い収量が得られる(表1)。また、「KU-369」は、夏秋雨よけ栽培と促成栽培において「Nevada」よりも収量が多い(表1)。
  4. 「Nevada」と「KU-369」は、主要品種に近い歯切れ感を有している(表1)。
  5. 「Nevada」の抑制栽培では、慣行品種に比べて収穫果数が約半分であるために、収穫・調製・出荷にかかる労働時間は約半分で済む。また、整枝・摘葉等に要する労働時間は約2/3である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 福岡県野菜推奨品種一覧に登載する。
  2. キュウリの新たな需要の創出や産地化を図るための資料とする。
  3. 7月~8月の収穫では果肉が軟化しやすい。
  4. 「KU-369」は、7月~8月に播種する作型では雄花の着生により種子が形成されて品質が低下することがある。
図表1 220926-1.gif
図表2 220926-2.gif
カテゴリ きゅうり 出荷調整 省力化 播種 品種 野菜栽培

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