細胞外分泌型ヤマイモキチナーゼ遺伝子導入によるうどんこ病抵抗性イチゴの作出

タイトル 細胞外分泌型ヤマイモキチナーゼ遺伝子導入によるうどんこ病抵抗性イチゴの作出
担当機関 生物資源部
研究期間 1998~2001
研究担当者 平島敬太
古賀正明
中原隆夫
発行年度 1998
要約 A.tumefaciensを利用して、細胞外分泌型ヤマイモキチナーゼ遺伝子をイチゴ「とよのか」に導入し、ヤマイモキチナーゼの発現を確認するとともに、うどんこ病抵抗性の系統を作出した。福岡県農業総合試験場・生産環境研究所、生物資源部・生物工学研究室
背景・ねらい 植物のキチナーゼは、傷害や病原菌の感染によって誘導され、糸状菌の胞子発芽や菌糸伸長を阻害する。これを遺伝子組換えによりイチゴで発現させることにより、病害抵抗性を付与できると期待されている。そこで、当場で開発した細胞外分泌型ヤマイモキチナーゼ遺伝子導入用バイナリーベクター(九州農業研究成果第13号)を用いて形質転換イチゴを作出し、これらのヤマイモキチナーゼの発現を確認するとともに、宝交早生と同等以上のうどんこ病抵抗性の系統を作出する。
成果の内容・特徴
  1. 細胞外分泌型ヤマイモキチナーゼ遺伝子を組み込んだA.tumefaciensを接種し、カナマイシン抵抗性カルスとシュートを誘導した(表1)。シュートよりDNAを抽出し、PCRを利用してNPTII、ヤマイモキチナーゼ遺伝子の導入を確認した(表1)。
  2. 細胞外分泌型ヤマイモキチナーゼ遺伝子の発現は、葉の細胞間隙抽出液を用い、活性染色法及び抗体染色法によって確認した(図1)。
  3. キチナーゼ遺伝子の発現が確認された形質転換イチゴの一部の系統に対し、うどんこ病の分生胞子を接種した結果、非形質転換体に比べて葉の菌叢面積が少ない系統が得られた(図2)。さらに、その中の5系統のランナーより育苗したクローン株でも、同様にうどんこ病に対する抵抗性(自然発生)を示した(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. うどんこ病抵抗性の形質転換イチゴは、非閉鎖系温室や隔離ほ場での安全性評価を実施し、一般ほ場での栽培や交配母本に利用する。
  2. うどんこ病抵抗性検定は、閉鎖温室内での接種試験であるため、より自然環境に近い非閉鎖系温室や隔離ほ場において再確認する必要がある。
図表1 221055-1.gif
図表2 221055-2.gif
図表3 221055-3.gif
図表4 221055-4.gif
カテゴリ 育苗 いちご うどんこ病 抵抗性 抵抗性検定 病害抵抗性

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