タイトル |
小麦品種「チクゴイズミ」、「ニシホナミ」の容積重、タンパク質含有率の変動要因と改善策 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
小麦の容積重は千粒重が重い年次に重く、タンパク質含有率は地力の高い圃場で高い。容積重を増加させるには播種量を減ずるか出穂期から穂揃期に追肥(穂揃期追肥)する。タンパク質含有率を高めるためには、穂肥施用量を増やすか穂揃期追肥を行う。福岡県農業総合試験場・農産研究所・栽培部・作物栽培研究室
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背景・ねらい |
小麦の容積重やタンパク質含有率は、民間流通における品質評価の重要項目となっており、実需者のニーズに応じた品質の高い小麦の生産が急務である。容積重は品質取引でのプレミアム及びディスカウント対象の項目であり、その向上が求められている。また、九州産小麦のタンパク質含有率は値が低めであり、その向上と安定化が求められている。そこで、容積重やタンパク質含有率の変動要因を解明し、品質向上のための栽培法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 容積重は千粒重との関係が強く、千粒重の重い年は容積重も重い(図1)。タンパク質含有率は圃場条件の影響が大きく、地力の高い圃場(土壌中全窒素0.21%)では含有率が高い(図2)。
- 播種量を減ずると容積重は増加する傾向を示し、タンパク質含有率には大きな差はない。播種期の容積重やタンパク質含有率に対する影響は大きい。穂肥窒素施用量を増やすとタンパク質含有率は高くなるが、容積重には大きな差はない(表1)。
- 出穂前2日から出穂後13日頃に追肥(穂揃期追肥)すると、タンパク質含有率と容積重を増加させることができる。追肥窒素量は穂肥2kg/10a+穂揃期追肥2kgが適当である(表2)。穂揃期追肥による成熟期の遅れはない。尿素の葉面散布も同様の効果が得られる(データ省略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 容積重の向上とタンパク質含有率の安定化のための参考資料とする。
- 尿素の葉面散布を行う場合は、10a当たり150Lの水に溶かして散布するが、小麦の葉先がわずかに枯れることがある。
- タンパク質含有率は原麦全粒の含有率を水分13.5%に換算した値である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
小麦
播種
品種
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