タイトル |
黒毛和種去勢牛肥育における肥育ステージ別ビタミンA適正給与量 |
担当機関 |
大分県畜産試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
黒毛和種去勢牛肥育において、ビタミンA欠乏症を出さず、質量兼備の高品質牛肉を生産するためには、肥育牛の血中ビタミンA濃度を肥育前期(9~15ヶ月齢)に120IU/dlまで高め、中期(16~19ヶ月齢)に低下させ、19ヶ月齢で40~50IU/dlまで誘導し、肥育後期(20~27ヶ月齢)は50IU/dl前後で維持する方法が有効である。大分県畜産試験場・肉用牛生産技術部
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背景・ねらい |
ビタミンA(以下「VA」)を適正に制御する肥育技術は確立されおらず、VA欠乏による疾病やズル肉の発生がみられ、肥育経営に多大な損失を生じている。VA欠乏による疾病の発生を防止し、質量兼備の高品質牛肉を生産するために新しいVA適正給与マニュアルを策定し、その有効性について実証検討した。
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成果の内容・特徴 |
- VA適正給与マニュアル(表1)
- 肥育前期(9~15ヶ月齢)
VAを漸増給与(3,000→7,000IU/日)し、前期終了時(15ヶ月齢)までに血中VA濃度を120IU/dlまで上昇させる。
- 肥育中期(16~19ヶ月齢)
VAを漸減給与(7,000→0IU/日)し、血中VA濃度を120IU/dlから19ヶ月齢で40~50IU/dlまで低下させる。
- 肥育後期(20~27ヶ月齢)
VAを定量給与(5,000IU/日)し、血中VA濃度を50IU/dl前後で維持させる。
- 実証試験結果(表2)
6頭で実証試験を実施した結果、ズル肉の発生はなく、枝肉重量は平均463.7kg、ロース芯面積52cm2、BMSNo.平均7.0、肉質等級全頭4等級以上で適正給与マニュアルの有効性が実証された。
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成果の活用面・留意点 |
- 新しい肥育マニュアルに活用する。
- VA添加飼料で群飼する場合、VAが均等に個体に給与されるよう除角することが望ましい。
- 中期後半において、採食量が低下(採食量8kg以下が数日継続、あるいは低下が継続)した場合、VA欠乏症状が発生する前兆としてとらえ、中期終了を待つことなく、後期のVA給与に切り替えること。
- VAの給与はVA添加濃厚飼料(1000IU/dl)と無添加濃厚飼料の混合割合を調整したものを給与する方法が確実である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
経営管理
肉牛
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