タイトル |
CIDRとPGF2αの併用による発情誘起および胚移植成績 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
受胚牛にCIDR(膣内留置型徐放性黄体ホルモン製剤)とPGF2α(プロスタグランディンF2α)を併用すると、36~48時間内に92%の受胚牛に発情誘起させることができ、胚移植すると自然発情時の受胎率と差はみられない。また、移植時からCIDRを挿入留置すると黄体ホルモン濃度は上昇するが、胚の受胎性には影響しない。福岡県農業総合試験場・畜産研究所・大家畜部・畜産工学研究室
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背景・ねらい |
胚移植における受胚牛の選定において、受胚牛の発情確認が重要であるが、畜主が多数の受胚牛の発情を正確に把握することは困難である。受胚牛の発情を短期間で確実に誘起する方法が求められている。しかし、従来のPGF2α投与では黄体の確認が必要であり、またCIDRによる単独の発情誘起では発情の発現時間が24~72時間と幅広く、正確な発情誘起が困難であるため受胎率の低下を招いている。そこで、任意の発情周期の受胚牛を一定時間内でしかも高率に発情誘起させるため、発情周期を人為的に制御する技術を確立する。また、移植時に血中黄体ホルモン(P4)増強させることが、移植成績にどの様に影響するかを調査し、受胎率向上を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 受胚牛の発情周期の任意の日にCIDRを挿入し、2週間後除去すると共にPGF2αを投与すると、投与後36~48時間内に92%の高率で受胚牛の発情が誘起し(図1、表1)、胚移植すると自然発情時の受胎率と差はみられない(表2)。
- 妊娠維持に必要な黄体ホルモンの増強のため、移植時にCIDRを挿入して12日間留置すると、血中P4濃度は妊娠牛の値と同様に上昇するが、移植胚の受胎性には影響しない。(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 受精卵移植機関において、胚移植技術として利用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
受精卵移植
受胎率向上
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