タイトル |
放牧酪農における春期の乳脂率と補助飼料中の成分含量の関係 |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
春期に搾乳牛で放牧する場合、補助飼料中のEE含量を約1.7%、NDF含量を約38%にすることにより、乳脂率3.5%の生乳を生産できる。熊本県農業研究センター 草地畜産研究所
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背景・ねらい |
放牧を利用した酪農経営においては生乳生産コストの低減、飼料自給率の向上により経営基盤の安定化が図れるほか放牧による生産物の高付加価値化などが期待される。 しかし、放牧草の飼料成分の変動が乳成分に影響するため、乳成分の安定化が重要な課題となっている。特に春期の牧草は嗜好性が高く摂取量は増加する反面、牧草中の繊維が少なく、NDF含量も少ないことから乳脂率の低下が認められる。そこで、1日6時間の時間制限放牧を行っている搾乳牛に対して、体重比2.9%の補助飼料を給与する場合に、補助飼料中の各飼料成分含量と乳脂率の関係から乳脂率3.5%以上の生乳を生産するのに有効な補助飼料について明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 春期の放牧において表2に示す補助飼料を給与した延べ54頭の搾乳牛のデータから、補助飼料中のEE(粗脂肪)含量と乳脂率の間には正の相関が認められる(図1)。
- 補助飼料中のNDF(中性デタージェント繊維)含量と乳脂率の間にも正の相関が認められる(図2)。
- 補助飼料中のTDN(可消化養分総量)ならびにCP(粗蛋白質)含量と乳脂率の間には相関が認められない(表2)。
- 春期の放牧において、補助飼料中のEE含量を約1.79%、NDF含量を約38%にすることで乳脂率が3.5%となる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果と同様の条件で放牧を行っていて春期に乳脂率の低下がみられる農家、牧場で活用できる。
- 本成果は、阿蘇地域の寒地型牧草(トールフェスク主体)の草地を利用しており、他の地域、草種および放牧方法が異なる場合にはそのまま適用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
寒地
経営管理
高付加価値
コスト
乳牛
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