タイトル |
黒毛和種雌牛肥育における卵巣除去の効果 |
担当機関 |
長崎県畜産試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
黒毛和種雌牛肥育において、卵巣除去は飼料摂取量および増体に効果を及ぼさないが、発情に伴う乗駕および闘争が抑制され、横臥割合が高く、枝肉成績が良好となる。長崎県畜産試験場・肉用牛科
|
背景・ねらい |
去勢牛と比較すると雌牛の市場での取引価格は低く、雌牛の市場価値向上につながる肥育技術確立が急務である。雌牛肥育における問題点は発情であり、飼料摂取量の低下や乗駕によるストレスを伴うと考えられる。従って、発情を抑制する1つの手段として黒毛和種雌牛の卵巣を除去し、肥育前期の行動、飼料摂取量、増体および枝肉形質に及ぼす影響を明らかにする。
|
成果の内容・特徴 |
同一種雄牛の産子である黒毛和種雌牛12頭を用い、13ヶ月齢で卵巣除去した区(卵巣除去区)と対照区を、各区とも3牛房に2頭ずつ計6頭配置した(試験I)。同一種雄牛の産子である黒毛和種雌牛8頭を用い、10ヶ月齢で卵巣除去した区(卵巣除去区)と対照区を、各区とも1牛房に4頭ずつ配置した(試験Ⅱ)。- 卵巣除去は飼料摂取量および増体に効果を及ぼさない(表1)。
- 卵巣除去を行うと、皮下脂肪が薄く、脂肪交雑が向上する等、枝肉成績が良好になる(表2)。
- 卵巣除去を行うと、発情に伴う乗駕および闘争が抑制され、横臥割合が高くなる(表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 黒毛和種雌牛肥育において、導入後速やかに卵巣除去を行うことで、発情に伴う行動を抑制できる。
- 卵巣摘出が完全に実施されないと卵巣が再生し、発情が再帰する。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
肉牛
|